電通・澤本嘉光に聞いてみた「クリエイターが、30歳までに経験しておきたい3つのこと」

気鋭のクリエイターやメディア業界の人たちは、今とこれからの広告やメディアについてどう考えているの? ACCならではの視点で、これからの広告のカタチについてお聞きしていくシリーズ企画「ACCプレミアムトーク」。今回は、国民的CMシリーズを数多く手掛けている、日本代表するクリエイティブディレクターでありCMプランナーの、電通・澤本嘉光さんに「クリエイターが、30歳までに経験しておくべきこと」について、お話を伺ってまいりました。

(聞き手・文:博報堂ケトル 原利彦)

電通 澤本嘉光 氏

——澤本さんは、アドタイ読者には言わずもがな、ソフトバンクの「白い犬」シリーズや東京ガス「ガス・パッ・チョ!」シリーズなど、国民的CMを多数手掛けるトップクリエイターのお一人です。

本日は、せっかくの機会なので、「何をすれば、将来、澤本さんみたいなクリエイターになれますか?」という、広告業界の若手がきっとシラフじゃ聞けない、無邪気な質問をさせてください。澤本:

ムチャクチャ、突然ですね(笑)。ただ、そうですね…。若いころの自分を振り返って、いくつか自分から伝えられるアドバイスがあるとすれば…クリエイター、特にCMプランナーは、若い頃にまず「言葉を書く」訓練を徹底的にしたほうが良い、と思います。

——CMや映画など映像メインに活動されている澤本さんには、少し意外なお言葉です。

1.徹底的に「言葉を書く」

澤本:

良いCMを作れる人って、きちんと言葉が書ける人なんですよ。映像と商品の間にブリッジとして機能する言葉がないと、良いCMにはならない。

僕、電通に入って最初の1年間は、コピーライターをやっていたんです。自分は最初からCMを作りたくて電通に入って、怒られちゃうけれどコピーライターには微塵も興味なかったので正直言うと嫌々だったんですけど、当時のクリエイティブの局長方針が「1年目はCMやらなくていい、全員コピーライターの勉強しろ!書け!!」っていう方針だったんです。しかも、「コピーライターとして通用しなそうなら一年後にこの中の3分の1は営業に出す!」って初日に宣言されて(笑)。

そうなるともう、とりあえずクリエイティブには残りたいから、必死でコピーを書きまくるしかないですよね。

そして、今思うと自分でもどうかしてたな、と思うんですが、当時の僕は「良いコピー=人を鼓舞するコピー」と勘違いしていて、毎回、大学にあるアジ看板の見出しみたいな挑発的コピーを、大量に考えて持っていってたんですよ(笑)。自信満々で挑発して。

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