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コラム

マーケティング・ジャーニー ~ビジネスの成長のためにマーケターにイノベーションを~

マーケターは自らの環境を「形作る」ことができなければブランドの未来は作れない

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「形作る(Shaping)」ことが未来を生み出す

「形作る」は特に環境の変化が激しく予測不可能で、しかもそれに対応できる能力がある場合なので、かなり高度な戦略ではあります。同時に、それは誰もが目指せるものではなく、限られた勝者しかできない選択肢としています。

しかし、自分には、そこにどのマーケターも目指すべきビジョンがあると思えます。というのも、この「形作る」とは、言葉を変えれば、「関連するビジネスが連携し合うプラットフォームとなること」、あるいは「エコシステムを構築すること」であるからです。

未来が予測不可能な環境では、ある変化が起こったことにそれぞれ対応するのではなく、そもそも変化を前提とした基盤(プラットフォーム)となりうるようなビジネスを見出すことが大事です。もしくは、自社と関連したビジネスとうまく連携するかグループに取り込むことで、環境自体をコントロールすることです。

エコシステムとは、まさに環境づくりのことであり、変化が大きければ大きいほど、この環境づくりが重要になります。たとえば、あるスポーツブランドがデジタルのランニング・アプリを開発したり、買収したりするのは、走るという行動にデジタルテクノロジーが寄与するだけでなく、それが消費者行動の把握やブランドのロイヤリティを向上させるツールとなっているからです。それと同様に、メーカーが直営のストアやECに力を入れたり、流通企業が宅配サービスを取り入れたりするのも、彼らの強みをベースに環境づくりを目指しているからです。

たしかに、プラットフォームやエコシステムが構築できるブランドは数が限られていますが、おそらく今後はデジタルを中心としたブランドは、どういう形やどういう市場であれ、自らの環境の「形作り」を目指さない限りは、未来が描けないように思います。

それは変化が激しい世の中であればあるほど、アラン・ケイが言った「未来を予測する最善の方法は、未来を発明すること」が、まさに現実となっていると実感するからです。