年々活躍の場を広げる本格派女優、黒木華(はる)さん。その演技力は各方面から高く評価されており、2014年には「第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)」はじめ、多くのアワードを受賞。“昭和感”漂う彼女の魅力に迫る。
足立:
最近、黒木さんの演技を見る機会が多く、注目していました。
黒木:
ありがとうございます。興味を持っていただいて嬉しいです。
足立:
演技はいつごろから始めたのですか?
黒木:
幼い頃からです。母がとても活動的な人で地域の活動によく参加していたのですが、活動の一つにお芝居があったんです。母に連れられて参加をし、演技してみると地域の方々が褒めてくれて、それから演技が好きになっていきました。私は人とコミュニケーションをとるのがあまり得意ではないのですが、お芝居には自分の居場所があって、楽しいと思えたんです。
足立:
高校から本格的に始められたんですよね。
黒木:
はい。高校の演劇部は相当厳しかったです。朝から晩まで土日も休まずに練習していました。でも大会に出ると負けてばかりで悔しかったですね。当時はすごく青春でしたし、あのとき一生懸命にやれたからこそ、いまがあるのだと思っています。
足立:
大学でも演技を学ばれたと。
黒木:
大学は実践を重視する校風で、監督コースの学生が、俳優コースの人をキャスティングするという仕組みでした。そこでは、なかなか声がかからず、何もしていないなと思っていたときに、先輩から野田秀樹さんの演劇ワークショップの話を聞いたんです。
