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コラム

『編集会議』の裏側

若手校閲者に、「校閲」の仕事について聞いてみた

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念には念を入れて「疑う」

――「校閲」の仕事のやりがいや魅力は、どんなことでしょうか。

致命的な間違いを見つけて訂正が出ることを防げたり、筆者から「よく調べたね」「助かった」と言われたりした時は大きなやりがいを感じますね。やはり世に出る新聞の信頼を守るためには、「校閲」が担う役割は大きいと感じています。また、仕事で“調べながら読む”ことが身につくと、これまで興味のなかったことについて詳しくなれたり、もともと興味のあることで新しい知識に出合えたりといったことがあることも魅力の一つです。

余談ですが、以前、先輩と膨大な量の原稿のチェック作業を延々とやっていたとき、疲れから「こんなに大変な思いをしているのだから、校閲者として我々の名前も載ってもいいのでは」と冗談半分に言ったことがありました。それに対して、その先輩は「いや、校閲の仕事はやった痕跡が一切残らないところに美しさがあるんだ」と答え、なるほどかっこいいなと。それ以来、校閲をしていてつらいときには、その言葉を思い出すようにしています。

――これまでにあった大きな失敗談、あるいはお手柄はありますか。

ある紙面で、大リーガーのイチロー選手の写真の説明に「ライトの打球に飛び付く」とありました。紙面化した後、その日、実はイチロー選手はレフトを守っていたことがわかり、「訂正だ!」と頭が真っ白になったのですが、結局「ライト選手の打球」という意味だったことが判明しました。間違いではなかったものの、守備位置を調べなかったのは、自分の中では大きな失敗でした。

逆に、つい最近、あるコラムで紹介されていた一般の方の名前が間違っていたのを発見できたことがありました。コラムには名字しか紹介されておらず、情報も少なかったのですが、念のため調べてみると同一人物の疑いのある人の記事をネット上で見つけました。名前に食い違いがあったので、これも念のため筆者に問い合わせると、やはりコラムの名前が間違っていたんです。念には念を入れて疑うことが、大事だと再確認した出来事でしたね。

「編集者やライターが校閲する際に、最も意識するべきことは?」など、続きは、『編集会議』2016年春号をご覧ください。

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