「お客様にとっての価値」を追求する、マーケティング視点のイノベーションとは?

組織や専門性を超えた融合がイノベーションを起こす

—お二人は「イノベーション」という言葉をどのように定義されていますか。

帝人 専務執行役員 新事業推進本部長 兼 マーケティング最高責任者 荒尾健太郎氏

荒尾:

新事業、つまり既存の事業部が扱っていない“狭間”の部分を担うようになって最初に感じたのは、「技術者はマーケティング視点を持っていない」ということ。我々の事業はB to Bですが、その先にいるC=消費者が何を待っているのかということを考え、商品を開発する必要があります。したがって、単なる技術の革新ではなく、技術と市場の結合で爆発的に市場に普及したものが真のイノベーションであり、まさに市場にマッチしたものを創出することが求められています。今、素材メーカーは、ビジネスモデルの転換を迫られています。これまでは素材を供給することがビジネスになり、「良いものをつくれば売れる」という状況が長く続いていました。しかし、その素材がどんどんコモディティ化してきた。現在では、素材はソリューションの一部でしかありません。市場やお客さまの使用価値・真のニーズを理解した上で、素材を組み合わせ、技術を融合し、サービスを付加した新たなビジネスモデルを創出しなければいけない。そのためには、すべての事業が連携して顧客に向き合うことが必要であり、それが“One Teijin”の考え方です。事業や機能の間の融合を推進し、帝人グループとしての総合力を高め、特に技術開発力と市場対応力を強化することで、最適なソリューションを提供できる体制の構築を目指しています。

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