広告主、広告業、メディア、クリエイターと広告界のさまざまなキーパーソンが一堂に会し、マーケティング・コミュニケーションの現在、そして未来について議論する「AdverTimes DAYS(アドタイ・デイズ) 2016」(宣伝会議主催)。今年は「BEYOND~お客さまと向き合おう」をテーマに、4月12日~13日の2日間にわたって開催した。“生活者ファースト”のマーケティングとクリエイティブを考え、行動に移すために、企業内の組織の壁や既存の慣習、これまでの成功体験をいかに超えていくか――。本コラムでは、講演の一部をレポートとして紹介する。
左)岡田貴浩(おかだ・たかひろ)
富士重工業 広報部長 兼 スバルネクストストーリー推進室 担当部長
1984年に入社し、1992年から国内営業本部マーケティング推進部宣伝課にてメディアプランニングやイベントを担当。その後、商品企画部にて商品企画マーケティングを担当し、2010年にマーケティング推進部長へ。2014年から広報部長、2015年から現職。
右)関口良幸(せきぐち・よしゆき)
デル 広報本部 北アジア地域統括本部長
大学卒業後、マスコミ、金融を経て現在はデルの広報責任者。
数値では測れない指標も
編集部:
本日は、「PRとマーケティングの融合」というテーマで、デル、富士重工業でそれぞれ広報部門を統括するお二方にお話をうかがっていきたいと思います。まずは自己紹介からお願いできますか。
関口:
私はデルに移ってから今年で6年目、現在は北アジア地域統括本部長を務めています。世界180カ国で事業展開しており、「デル=PC」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、実は非常にダイナミックな変化のさなかにあります。ソリューション・プロバイダーへの事業転換、そして本国での企業買収などを受けて、日本法人の広報部では対外的な広報はもちろん、インナーコミュニケーションにも力を入れているところです。
編集部:
2015年はトップ交代があり、IBMで広報担当役員をご経験された平手智行社長が就任されました。『広報会議』本誌でもインタビューさせていただきましたが、広報体制を大きく改革されたとのこと。
関口:
新トップの就任後すぐに言われたのは、「広報活動は水物だから完全な効果測定はできない、といった固定概念を捨てろ」ということ。社内ではよく「コンフォートゾーンから抜け出そう」と表現しています。トップが広報に精通していると仕事はしやすいですが、プレッシャーを感じます(笑)。
