世界の面白プロモーションに見る 人を動かすアイデア7選 Vol.08

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株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。第8号が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

世界を見渡すと、日本ではあまり見られないような驚きのアイデアで人の心を掴み、行動を喚起したプロモーションが数多くあります。マス広告を打たなくても、人は集まる、モノは動く。そんな事例を紹介します。
※本記事は、『100万社のマーケティング』第8号(2016年8月29日発売)の誌面を一部抜粋したものです。

01 “無駄”をなくして、飢える鳥たちを救え!
ドミノ・ピザ「The House of Crust」(ロシア)

極寒の国、ロシア。冬ともなれば気温はマイナス30℃を記録し、地面には50センチ以上の雪が積もることも珍しくない。そんなときには、暖かい部屋の中でピザでも食べよう…人間ならばそれも可能だが、ロシアに暮らす鳥たちは、そうはいかない。日中にエサを見つけて空腹を満たさなければ、その夜に餓死してしまう恐れすらある。

命の危険と隣り合わせの鳥たちを思い、モスクワのドミノ・ピザが打ち出したのは、ある「特別な箱」でピザを届けるキャンペーン。かわいらしいデザインの箱は、ピザを食べ終えた後、鳥のエサ入れとして再利用することができる。使用方法はいたって簡単、あらかじめ入れられた切り込みに合わせて箱を組み立て、木に吊るしておくだけ。あとはエサを探している鳥たちがやって来るのを待っていればいい。取り組みは国内各地に広がっていった。

キャンペーンは開始から数週間で、オンライン/オフラインともに多くのメディアに取り上げられ、注目を集めた。話題は700万人にリーチし、Facebookページのコミュニケーション率が30%向上した。

02 かゆみに効く!を体感させる、わかりやすいアンビエント広告
999「SCRATCH POLE」(中国)

背中がかゆい、でも手が届かない …!そんな時に活躍するのが「孫の手」。実は孫の手は日本だけでなく、中国でも人々に愛用されているアイデアアイテムなのだ。そんな孫の手を使ったアンビエント広告を展開したのが、医薬品メーカー 999(三九)である。中国・上海の地下鉄駅構内の柱を、7832本という膨大な量の孫の手で埋め尽くし、「孫の柱」に変身させた。

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