広報誌「多言語化」の事例も――自治体・企業のインバウンド対応

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訪日外国人とのコミュニケーション成功のポイント

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会場ではモリサワの多言語情報発信ツール「MC Catalog+」が紹介された。

高まるインバウンド(訪日旅行)需要を自治体や企業はいかに取り込むか。11月10日と17日、東京と大阪でそれぞれセミナーが開かれ、顧客対応からツール多言語化などの取り組みが紹介された。

主催はプロ向けフォント(書体)で国内トップシェアのモリサワ。現在はインバウンド対応の情報発信ツール提供にも力を入れている。

第1部では東京・大阪両会場共通で東海大学文学部広報メディア学科の河井孝仁教授が基調講演を行った。冒頭にオランダ・アムステルダム市の事例を紹介。同市では市民のシビックプライドの醸成を促す言葉として「I amsterdam(I am+Amsterdam)」というスローガンを掲げている。河井教授はシティプロモーションにおいて、こうした街を一言で表すブランドメッセージが鍵になると説明。

「昨今のシティプロモーションでは、住民や観光客という地域における人の数を増やすことに終始しがち。だがそれ以上に目的として掲げるべきは、地域づくりに参画したいという感情の総量を増やすことだ」と強調した。

東京会場の第2部では、兵庫県豊岡市環境経済部大交流課の谷口雄彦氏が登壇。4年で外国人観光客が30倍に膨らんだという同市のプロモーション戦略は、市北部の観光地・城崎温泉への誘致に集中させることで、結果的にそれ以外の地域への周遊を狙っているのが特徴だ。講演では京都を訪れる外国人観光客を狙った広告戦略や、2016年6月に発足した豊岡版DMOの事例などを説明した。

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城崎温泉を抱える兵庫県豊岡市の谷口雄彦氏は、マーケティング発想を取り入れた同市のインバウンド施策について説明。豊岡版DMO(観光地経営組織)の取り組みも紹介した。

訪日外国人も広報誌の読者に

大阪会場では埼玉県三芳町秘書広報室の佐久間智之氏が登壇した。あらゆる広報業務をこれまで一人で手がけてきた佐久間氏だが、中でも広報誌にかける情熱は並々ならない。デザインや校正に至るまで独学で身につけ、「ゴミ箱行き」だった広報誌を刷新。日常的にスマートフォンを使う若者層を意識した内容とビジュアルにした。

また広報の多言語化にも力を入れる。三芳町ではモリサワの多言語情報発信ツール「MC Catalog+」を活用し、現在6言語での情報発信に対応。

「利用者数が増えたことで三芳町の認知度向上につながった。広報はすべての人に情報を届けるラブレター。住民はもちろん、訪日客にも三芳町の魅力を知ってもらうには、情報の多言語化は欠かせない」と語った。

第3部は資生堂ジャパンの宮栄太郎氏と三越伊勢丹ホールディングスの堀井大輔氏によるパネルディスカッション。一時期の「爆買い」の勢いが失速するなど環境変化のスピードが増す中、2社の今後のインバウンド対応について紹介した。

宮氏は「商品そのものだけでなく、コンテンツやクリエイティブの力を駆使したアプローチが必要になる。日本に来なければできないビューティー体験をつくらなければならない」と指摘。

堀井氏も「社内のゴールはインバウンドの部門がなくなり、すべての業務フローが日本人顧客だけでなく、外国人顧客もターゲットとして包含されている状態になること。70億人のグローバルマーケットの規模で考えることが重要ではないか」と語った。


お問い合わせ
株式会社モリサワ コンテンツプロモーション課
http://www.mccatalog.jp/
TEL:03-3267-1378
E-mai:l catalog-team@morisawa.co.jp

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