【前回】「メンタリストDaiGoとファンドマネージャー房広治が語る「コンサルティングの心理学」【前編】」はこちら
メンタリストのDaiGoさんは、心理学のプロフェッショナル。最先端の心理学を使って、ビジネスからエンターテインメントの領域まで、幅広く活躍しています。一方の房広治さんは世界の金融界で活躍するファンドマネージャー。英国オックスフォード大学留学中には、当時オックスフォード在住のアウンサンスーチーさん宅に下宿するという珍しい経験の持ち主です。その後は金融界の花形であるインベストメントバンカーとして大型投資案件を数多く成功させ、現在はアウンサンスーチーさんと再会し、ミャンマーの成長に向けたコンサルティングや投資を手がけています。今回のデザイントークでは、二人を知る電通ビジネス・クリエーション・センターの能勢哲司さんが聞き役となり、「コンサルティングの心理学」について語り合う後編です。
M&Aにおける心理戦
DaiGo:
M&Aはそもそも心理戦ですよね。オックスフォードには「ブラフィング」というテクニックがありますよね?
房:
オックスフォードというよりも、英国人の知恵・テクニックですね。英国人は、本当はわかっていない質問をされても、わかっているふりをすることがよくある。また、答えると自分の都合の悪い状況では、うまく、質問をかわす。イギリス人は話すのもうまいし、交渉もうまい。
DaiGo:
「ブラフ=はったり」ですよね。僕はテレビでババ抜きをしますが、パッと相手を見た瞬間に、「あなたはこういう性格なので、真ん中と両端には絶対にババはないですね」と決めつけます。そして相手の顔を観察するんです。これが「ブラフ」です。
もし図星だったら、相手は「読まれた!」と思って緊張します。決めつけに対する相手の反応を見て、心理を読んで探る。メンタリストは、「プッシュステートメント」というこの手法をよく使います。M&Aの心理戦と近いですよね。
房:
私はM&Aの交渉では、相手のブラフをわりと読める方だと自分のことを思っていましたし、実際に読んできました。ですが、最初にDaiGoに会った時に、DaiGoは全然違うレベルで、自分は全然相手にならないということを思い知りました。


