【前回】「松尾先生、人工知能と広告の未来はどっちですか?【前編】」はこちら
今回の電通デザイントークは、「人工知能と広告の未来はどっちですか?」と題して、人工知能研究のトップランナーである東京大学・松尾豊准教授を電通・並河進さんがお迎えします。「人工知能に今何が起きているのか?」「人工知能は広告にどう活用されていくのか?」「広告の世界で人間にしかできないことは?」 など、人工知能が当たり前になっている未来と、そこでの広告の役割を想像します。
並河:松尾先生のお話を受けて、今、私が取り組んでいるプロジェクトと、人工知能が広告にどのように貢献しているのかについてお話しします。
人間と人工知能がタッグを組んでチェス競技を行う「アドバンストチェス」からヒントを得て、「人間の創造性」と「データ解析や人工知能といったテクノロジー」を掛け合わせることで広告のパフォーマンスを向上させられないかと考えました。そこで2016年9月に、電通デジタルにプロジェクトチーム「アドバンスト・クリエーティブ・センター」を創設しています。
この数十年のデジタルマーケティングの進化を振り返ると、広告によって個人が欲しいものを精度高く、提示できるようになりました。人工知能は、まずは、このターゲティングの領域で使われるようになりつつあります。性別、天候、現在地、過去に訪れたウェブサイトなど、ライフデータを取り出して、その人が今何を欲しているのかを人工知能で推測するのです。
例えば、料理のレシピサイトを訪れた人に「料理」というタグが付くと、その人に向けて、これまでは「レストランの広告」が出ることもありました。しかし今では「鍋料理の広告」を出した方の成果が高いといった具合に、ターゲティング精度の向上にディープラーニングが使われています。
この数年間のデジタル広告の進化によって、顧客獲得のパフォーマンスは、もう既にかなり高い精度まで進化しています。次にデジタル広告の世界で目指すべきは「ブランディング」の領域です。
「電通デザイントーク中継シリーズ」バックナンバー
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・後編】(2017/12/16)
- 世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?【電通デザイントーク・前編】(2017/12/15)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは?【後編】(2017/12/12)
- 濱口秀司が語る、イノベーションを生み出す「ビジネスデザイン」とは? 【前編】(2017/12/11)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【後編】(2017/12/02)
- 電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【前編】(2017/12/01)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎【後編】(2017/10/28)
- 「ヒットさせてと言われても」山本宇一×天野譲滋×谷尻誠×石阪太郎 座談会【前編】(2017/10/27)
新着CM
-
マーケティング
伊藤忠、ボスコンと合弁 DXコンサルティングで新会社
-
販売促進
新規獲得に依存しない「守りの販促」を実現する グロースマーケティングとは何か
-
マーケティング
顧客インサイトを発見する能力を高めるには? 味の素マーケター育成の取り組み
-
人事・人物
ダイハツ工業、「三つの誓い」改革推進部を設置(24年4月1日付)
-
AD
広報
東京都「伝わる広報大賞」受賞作が決定 都民一人ひとりに届ける広報活動を活性化
-
販売促進
採れたての初日の出を電力に 受賞者が明かす「販促コンペ」企画が実現するまで
-
販売促進
価格帯の二極化進む外食市場 インバウンド活況の裏で人手不足も、日本フードサービス...
-
特集
CMO X
-
販売促進
本屋経営者も参考にする「透明書店」 販売状況など経営の裏側を公開、freee