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博報堂、電通出身の2人が設立 新会社「GO」が目指す事業クリエイティブとは?

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2017年のビジネスパーソンにとっての最重要テーマのひとつである「働き方改革」。
広告界でも、この問題に関する関心がかつてなく高まり、自ら新しい働き方、ビジネスモデルを考え、実践していこうとする動きが生まれている。
今年1月に設立された新会社「The Breakthrough Company GO」は、「事業クリエイティブ」「サクセスシェアリング」などのビジネスモデルを掲げ、博報堂、電通出身の2人が中心となって設立した会社だ。
彼らが実現したい新しい「働き方」とは何か。どんなビジョンを持って新事業に乗り出すのか。

(本記事は、『ブレーン』4月号から一部を抜粋したものです)

三浦崇宏(みうら・たかひろ)(中)
1983年生まれ。PR /クリエイティブディレクター。2007 年博報堂入社。同社およびTBWA\HAKUHODOにて、ストラテジックプラニング、PR、クリエイティブを歴任。カンヌライオンズ、日本PR大賞、グッドデザイン賞ほか受賞多数。2017年、福本龍馬さんと共同代表としてThe Breakthrough Company GO設立。
福本龍馬(ふくもと・りょうま)(左)
1982年生まれ。ビジネスプロデューサー。2007年電通入社。テレビやWeb媒体を中心としたメディアコンサルティング、国際大型スポーツイベントのプロデュース事業などを経験。後に営業局にて化粧品、キッチン商材、流通、自動車関連業界のアカウントプロデュースを担当。
松浦由紀(まつうら・ゆき)(右)
1984年生まれ。プロデューサー。2006年より外資系金融機関で証券部門の営業を務める。クライアント企業の資産運用や海外展開の際のファイナンスのサポート、企業課題に対するソリューションや金融商品などのサービスを提供。事業会社の経営層とのネットワークは400社以上。

ファイナンス、クリエイティブ、PRで変わりたい企業の「背中を押す」会社

博報堂出身のPR /クリエイティブディレクター 三浦崇宏さんと電通出身のビジネスプロデューサー 福本龍馬さんは、今年1月に新会社「GO」を設立した。事業形態は従来のPR会社とも、クリエイティブブティックとも違う。これまでにない“新しい思想とシステム”を持って、PR・広告・マーケティングを行っていく「ザ・ブレイクスルー・カンパニー」だという。

掲げる“新しさ”のポイントは3つある。まず、プロモーション領域に留まらずプロダクトやサービス開発も手がける「事業クリエイティブ」を核に据えていること。そして、クライアントとビジネスの成功まで並走する「サクセスシェアリング」の考え方でパートナー関係を築いていくこと。そして、達成のために必要なスキルを持つプロフェッショナルをアテンドできる「多分野のクリエイターのネットワーク」を持っていることである。

GOのメンバーは、三浦さんと福本さんに加え、外資系金融機関出身でファイナンス担当の松浦由紀さん、QREATOR AGENT代表でキャスティングを担う佐藤詳悟さんの4人。発端は、独立を考えていた三浦さんが旧知の仲である福本さんに相談したことだった。

「独立したら一緒に仕事をしよう、と福本が言ってくれて。それならば一緒に会社をやらないか?と誘いました」と三浦さん。福本さんは「僕は電通時代にテレビを中心にメディアバイイングをやっていたので、独立したら企画は三浦、交渉面は僕と、お互いの能力を生かせると思いました」と話す。

彼らと同年代の松浦さんは、外資系金融機関の戦略投資開発部にて事業法人営業を担当していた。「三浦とは共通の知人を介して以前から面識がありました。私は5歳と4歳の子どもがいます。子どもといる時間を今のうちにもっと持ちたいと、仕事のペースダウンのために会社を辞めたところだったんです。そこに2人の独立のタイミングが重なり、『これまでの広告会社ではできないことがやりたい』という話を聞いて、そのパッションに惹かれて一緒にやろうと決めました。結果、全然仕事のペースダウンにはなっていないのですが(笑)、気持ちのいいメンバーと自由度高く働けています」と松浦さん。

佐藤さんは元吉本興業でナインティナインやロンドンブーツ1号2号のマネージャーを担当したのち、QREATOR AGENTを立ち上げた人物。「佐藤には圧倒的な芸能関係のネットワークとキャスティング力があります。QREATOR AGENTの他に制作会社FIRE BUGも経営していて、コンテンツビジネスに明るい。アドバイザー的な立場も兼ねて参加をお願いしました」(三浦さん)。

GOの設立には「多くの企業に事業変革が求められている」という社会背景がある。「働き方革命やAIによる変化の波が押し寄せているこのタイミングで、変わろうとしていない企業、変わらなくていいと思っている企業はほとんどありません。ソフトバンクはIoT事業に乗り出し、ユニクロはデジタル化に舵を切り、多くの企業がブレイクスルーしようとしている過渡期にあります」(三浦さん)。

そのタイミングで最適なのは、クライアントの変化にコミットして、共に収益を得ていくビジネスモデルだと考えた。エージェンシーの課題解決モデルではない、“事業創造”モデル。クライアントからの報酬はフィーだけではなく、レベニューシェアおよびストックオプションで得る。

「変わりたいという意志を持つ企業の背中を、ファイナンス、クリエイティブ、PRの力で押す会社になりたいんです。『迷ったら、前に進みましょう』という意味を込めて、社名は『GO』です」(三浦さん)。

次ページ 「レベニューシェアの業界スタンダードをつくりたい」へ続く