#SXSW2017 VR時代のストーリーテリングには「双方向性」が求められる

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VRの活用を推し進めるプラットフォームの登場

世界的なモーショングラフィックアーティスト、Kyle Cooper率いるスタジオ「Prologue Film」が制作したVRプラットフォーム「SPATIALAND」の発表が行われた。

VRプラットフォーム「SPATIALAND」。

『セブン』『ミッション・インポッシブル』など多数の映画のオープニンググラフィックで知られるKyle Cooperだが、『アイアンマン』に登場する人工知能「J.A.R.V.I.S.」のビジュアライゼーションも担当しており、セッションのタイトル「What If You Could Present Information Like Iron Man?」の如く、実際にVRプラットフォームを自ら制作した。

「SPATIALAND」はVRデザインプラットフォームとして制作され、画を描いたりテキストを書いたりするのは当たり前として、プレゼン資料の作成や3Dオブジェクトを加工することもできる。VR内でプレゼンテーションもできるとのこと。諸々のファイルやデータはフォルダで整理ができるので、さながらVR内のワークスペースだ。またSNSのフィードを読み込み、360°空間の中で表示することもできる。

ハリウッドの一流クリエイターがつくっているだけあって、デザインやUIは完成度が非常に高い。数年後にはこのようなシステムを使用してクライアントへプレゼンするエージェンシーも出てくるだろう。動画、アプリ、SNS、そしてVRと進化する生活者へのタッチポイントを、スライドや映像で説明するよりも理解してもらえるかも知れない。

オーディエンスにリーチするための、ブランドと音楽の協業

元々、アーティストのショーケースライブから始まったSXSWらしく、MUSIC期間にはアーティストが自ら語るセッションや、音楽制作、マーケティング他の実践的なセッションも多数行われる。

ブランドと音楽のコラボレーションについてのセッションが複数存在した。

ブランドと音楽のコラボレーションについてのセッションも複数あったが、その中の「The New Deal: Why Brands Will Buy Artists Airtime」というセッションに参加した。ここでは、ブランドとアーティストをマッチングするプラットフォームを運営するエージェンシー「Music Audience Exchange(以下MAX)」と、M.I.Aのドラマーを務めハーバードでMBAを取得したアーティスト Madam Gandhi、そして独立系レーベル「Aware Records」が、ブランドと音楽がどのように協力して今のオーディエンスにリーチするべきかを語った。

興味深かったのがMAXのNathan Hanksが「アメリカの広告市場で音楽領域に投下されている金額は、スポーツのそれの20分の1以下。まだまだ可能性が大きい」と語っていたことだ。

2017年のSXSWのキーノート・スピーカーを務めた、音楽プロデューサーでギタリストのNile Rodgersは、実はそうしたブランドと音楽のコラボレーションの先駆者だ。彼はナイキやバドワイザーといったブランドの音楽も手がけている。スピーチの中で「今ではアメリカのブランド企業が、日本のようにアーティストとパートナーシップを結んで、アーティストのブレイクに力を貸している。日本では新製品のCMがアーティストをブレイクさせる。25〜30年前に学んだよ」と語った。

音楽プロデューサーでギタリストのNile Rodgersがキーノート・スピーカーを務めた。

テクノロジーにより進化するストーリーテリングと、変化するジャーナリズムで進化を余儀なくされるメディア、そして感情に訴える音楽との関係。こうしたトレンドや課題をキープレイヤーがさまざまな角度から語るSXSWという一大イベント。

今年も多くのマーケターがインタラクティブ期間に参加していたようだが、2018年はもう少し滞在期間を延ばし、多面的なセッションやアクティビティから、大きなトレンドを肌で感じることをおすすめしたい。

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