昨年のACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門審査(以下、ME部門)で、グランプリを受賞したアキタ「きよらのたまご」。同社として初の全国CMでグランプリに輝いた背景や、受賞後の変化、広告賞への思いについて、キャンペーンを率いているアキタ 経営戦略室 室長 山﨑俊明氏に聞いた。
あますところなく受賞を活用
—「きよらグルメ仕立て」のCM第3弾は、放送前からさまざまなメディアに大きく取り上げられていましたね。山﨑:
テレビ番組「王様のブランチ」のエンタメランキングで10位。「ZIP!」「スッキリ!!」をはじめ、多くのメディアで取り上げていただけました。これも、ひとえに声優を務めた新津ちせちゃんの力なんですよね。ちせちゃんは、映画『君の名は。』の新海誠監督の娘さんだと騒がれましたが、アキタが彼女をキャスティングしたのは話題になる前年のことです。ここにCD(クリエイティブディレクター)を務めたcatch福部明浩さんのクリエイティブのすごさを感じます。
最初、当社にアナウンサー出身の女性社員がいたので、その女性もオーディションで選考してほしいとかなり強く推していたんです。けれど福部さんは「いや、絶対にだめだ」と。そこまで自信を持って言われれば僕ももう任せるしかありません。福部さんを信じることが大切だから。結果、そのこだわりで選ばれたちせちゃんは、やっぱりすごい実力ですよ。CM発表の会見でも、出演タレントではなくて、声優のちせちゃんとして生アテレコに挑戦してもらいました。
—昨年ME部門でグランプリを受賞して、その後いかがでしたか?山﨑:
正直、今までACCの存在を知りませんでした。そもそもアキタが全国に向けてCM放映することが初めてのことですから。CMが話題になった経緯で「ACC賞というものがあります。エントリーしませんか」と言われたのがきっかけで、「きちんと理解できていませんが、お願いします」と。だから、受賞後に取材を受けたり、挨拶していただいたりして初めて「すごい賞をもらったのだなぁ」と気づいた感じです。


