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ヤングカンヌ2017:③全部門総集篇 — カンヌライオンズ2017レポート

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こんにちは、電通の中川と山脇です。
3回にわたってお送りした、2017年ヤングカンヌ体験記もこれが最後です。

<<ヤングカンヌPR代表 — レポート>>
ヤングカンヌ2017:①PR部門事前準備篇 – カンヌライオンズ2017レポート
ヤングカンヌ2017:②PR部門本戦篇 – カンヌライオンズ2017レポート
ヤングカンヌ2017:③全部門総集篇 – カンヌライオンズ2017レポート

今回は、今年代表として参加したみんなに協力していただき、ヤングカンヌ全7部門のうち、日本代表が参加した6部門の課題や企画についてまとめてみました。みんなU-30と年齢も近く、同じ緊張やプレッシャーを味わっている者同士、所属する会社の壁を超えて仲良くなれることも、このヤングカンヌの醍醐味の一つと言えます。また、ヤングカンヌの全部門の本戦を網羅した情報はこれまで見たことがないので、各部門の特色や違いなど、今後代表を目指す人・なった人の参考になるといいなと思っています。

左からMedia部門、Film部門、Print部門、Cyber部門、PR部門のペア(Design部門のチームはすでに帰国しており写っていません。森くん・森本くんごめん……)

 

Media部門代表:小渕朗人(博報堂) / 小野寺正人(博報堂)

国内予選:76チーム参加

本戦課題
クライアントはAmnesty International。良心の囚人と呼ばれる投獄された政治犯を開放するため、囚人と政府に向けて手紙を書く運動”write for rights”に、イギリスのミレニアル世代を参加させるキャンペーン。期間は2ヶ月、KPIは20万人、予算は200万円程度。

日本の企画
「ILLEGAL MUSIC」
Spotify上の特定の曲で「違法な音楽/逮捕の可能性があります」という注意を表示した後、それ以上に些細な理由で投獄までされている人達がいることをコミュニケーションし、アクションを促す。

ゴールドをとった国
イギリス

ゴールドをとった企画
「RHYMES FOR RIGHTS」
手紙を書くのではなく開放のためのメッセージを歌にして録音し、SNSに投稿することで、”write for rights”に参加させる。

振り返り
「どのように手紙を書いてもらうか」よりも「手紙に変わるアクション」を提案したものが評価を受けた印象。実際の活動としてワークするかどうかに囚われ、幅を広げて考えられなかったことが反省点。

 

Film部門代表:青木美菜代(電通)/水本隆朗(博報堂)

国内予選:61チーム参加

課題
クライアントは、レコーディングアカデミーという音楽業界を支える団体。「違法ダウンロードを禁止したいわけではないが、違法ダウンロードを悪びれもなくする若者の層に、音楽の価値を再定義してほしい。そしてサイトに来てほしい。音楽とそのクリエイターはサポートすべき存在であると、議論が起こりやすいようものにしてほしい」というオリエン。1ヶ月で100万回再生、2万シェア、ハッシュタグをつけると良い。

日本の企画
「違法ダウンロードする人=音楽好きのファン」と捉え、「リスクを犯してまで聴いてくれてありがとう君は最高のファンだよ」と一度その人を肯定し、ファンとしての今後の行動を問うもの。

ゴールドをとった国
ブラジル

ゴールドをとった企画
I can’t be without you. I can’t make it by myself.という歌をバンドが演奏、ダウンロードが進むにつれて、ギター、ベース、ドラムと次々に人が消えていく案。最後に「みんなは音楽を必要としている。音楽はあなたを必要としている。」とコピーが入る。

振り返り
オリエンでの「ダウンロードを批判・禁止したいわけではない」という言葉や、KPIにかなり引っ張られてしまいました。賞をとっているものはとてもシンプルに違法ダウンロード問題の現状を描き、やめようと訴えていました。

次ページ 「Print部門代表」へ続く