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DM+デジタルで相乗効果、押さえておきたい4つの手法

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【前回】「デジタル時代にこそダイレクトメールを極める、その理由は?」はこちら

ダイレクトメール(DM)の企画からクリエイティブ、発送、改善に至るまで幅広い実務知識を体系的にまとめた『新DMの教科書』(日本ダイレクトメール協会著)が発売となりました。本連載では、執筆者が交代で本書のポイントを紹介するとともに、現在のDMメディアの姿を伝えていく予定です。今回は、日本ダイレクトメール協会 専務理事 椎名昌彦氏が「DMとデジタル施策の組み合わせ方」に迫ります。

DMとデジタルメディアの役割分担を知る

今、DMのマーケティングで一番ホットなテーマは「DM+デジタル」です。
DMを見た人を、売り場としてのECサイトへ誘導したり、そのためのQRコードを訴求する、あるいは詳細な商品情報を検索してもらう、商品情報やキャンペーンオファーをSNSを通じて拡散してもらう、といった「DMとデジタルメディアとの連携」がDMマーケティングにおいても一般的な課題になってきたのです。

デジタルメディアは最初の気付きや認知、共感を伝えるには優れています。対して、DMなどのアナログメディアはクロージング(最終的な購買や契約)で強い機能を発揮しています。特に通販などでは、購買してもらうための切り札としてDMは主要な役割を果たしています。

DM+デジタル、どう組み合わせるか?

デジタルメディアで告知したターゲットをDMで引き継いだり、ECのようにDMからWEBの売り場への誘導が必要になる、といった課題が多くなってきました。日経BPコンサルティングの調査によれば、「デジタル施策とアナログ施策の組合せ評価」について販促担当者にアンケートをとったところ、デジタルとアナログ両方を組み合わせた施策を推進している担当者のほうが、それぞれ単体で実施している担当者に比べて、デジタル施策、アナログ施策の各効果について評価を大きく上げている、という結果が報告されています。こうした連携の代表的なパターンをいくつか紹介しましょう。

1.クロスメディアキャンペーン

WEBやマスメディアでの告知と併せて、行われるDM施策は、実際の購買行動やイベント来場等、直接的な行動喚起の役割を果たします。新車発売キャンペーンなどが典型で、テレビCMやWEBで新車の認知向上や話題作りを仕掛け、盛り上がったところでコアターゲットである見込客リストにディーラーイベント来場促進DMを送る、といった組合せとなります。

2.Drive to WEB

実際の売り場がWEBサイトになってきている現在、DM連携の主流とも言えるのがDrive to WEB(WEBへの誘導)。サイトにアクセスしてもらうことが、DMの主目的なので、検索窓訴求やQRコード訴求が中心となります。

日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2015、2016」によれば、こうしたWEB誘導型DMの受取経験は50%を超え、実際にWEBサイトにアクセスした率も3割程度と存在感を増している領域です。

3.DM+Eメール

同一ターゲットに対してDMとEメールを組み合わせたアプローチで、やっと一般的になってきました。コンバージョン力は高いけれども、高コストのDMを確実に読んでもらうために、コストが安く機動的に配信できるEメールを「事前予告」や「リマインド」という形で組み合せてトータルとしての効果を向上させます。

4.DM+SNS

メルマガにツイッターやFacebook等のアイコンを配して友人とのコンテンツ共有、拡散を図るしくみはデジタルの領域では一般的ですが、これをDMに適用する手法です。海外事例ではクーポンオファー付きはがきDMに「ツイッターやFacebookでこのクーポンをシェアしよう」というメッセージを入れることで、DMターゲットから知り合いへ拡散され、友人からのレスポンスが加わることで300%のレスポンス率を記録したという事例も存在しています。

DMメディアの訴求力の要素は、「ターゲット」「タイミング」「オファー」「メッセージ(クリエイティブ)」と言われています。データを駆使したより精密なターゲットやタイミングの絞込みや「リアル」メディアによるクリエイティブの力で、デジタルメディアでは不可能な体験を提供することができます。

このDM自体の進化に加えて、他メディアとの相乗効果を図ることも新たな課題となりました。先日発売した書籍『新DMの教科書』では、こうした「デジタル連携」も含めた現在のDMマーケティングを体系的に整理しておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

また本書は、DMマーケティングを極めた証である「DMマーケティングエキスパート」認定資格の公式テキストでもあります。業界標準の実務能力を示す資格試験受験にも活用いただけますので、クライアントへの信用をさらに深める機会としてチャレンジいただければ幸いです。(2017年度DMマーケティングエキスパート認定資格試験についてはこちら)。

椎名 昌彦

一般社団法人日本ダイレクトメール協会 専務理事
1979年電通入社。ダイレクトマーケティング専門代理店、電通ワンダーマンの創設メンバーとして出向。広範な業種にわたる企業で顧客獲得、CRM領域の企画・実施作業を行う。2005年電通復帰後は通販、ダイレクトビジネス全般の業務を担当。2011年より現職。企画監修『先頭集団のダイレクトマーケティング』(朝日新聞出版、2011)他、教育・執筆活動多数。全日本DM大賞最終審査委員。



新DMの教科書 「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキスト
日本ダイレクトメール協会著/宣伝会議刊行(2017年7月10日発売)

広告メディアとしてのDMについて、企画からクリエイティブ、実施に至る幅広い実務知識を体系的にまとめた1冊。日本ダイレクトメール協会の「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキストとして、業界標準の実務能力を示す資格試験受験にも活用いただけます。「DMマーケティングエキスパート」とはDMマーケティングのプロたる証で、取得すれば知識の習得からクライアント先での信用度に貢献するメリットが生まれます。

2017年度の試験についてはこちら

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