古沢良太さんと澤本さんは似ている？

権八：澤本さんはCMで長谷川さんを相当起用してますよね？

澤本：だって、いろいろやってくれるから。普通、「東京ガスのCMでウナギイヌとしゃべって、歌ってくれ」という企画は難しいわけですよ。歌詞も「ボルトとワット、どっちが電圧が」という歌詞だからね。

長谷川：最高ですよ。世界観が楽しくてしょうがなかったですもん。

権八：印象としては真面目でキッチリしている方で、そういうユーモラスなものをご所望されるのかなと思いますが、意外と好きなんですか？

長谷川：意外とではなく、むしろああいうのが好きですね。ウナギイヌと共演できる経験なんて、なかなかないですよ。CMじゃないとできないんじゃないですか？

権八：ドラマではできないですもんね。『シン・ゴジラ』の印象が強いからかな。ドラマ『小さな巨人』でも正義感のある真っ当な人という印象があるんですよね。

長谷川：そういう役をやると、その後、わりとくだけた役をやりたくなったりしますね。反動があるのかもしれません。

澤本：長谷川さんのやってらっしゃる役は、長谷川さんにしかできない役が多いと思っていて。僕が一番好きだった『デート』というドラマがあって、そのドラマの中で長谷川さんは高等遊民の役をやっていて。真面目にやってらっしゃるんだけど、見る側からすると、引いて見てコメディというようになっている気がして。

長谷川：あれは古沢良太さんの脚本が面白いんですよ。だから、僕や出演者も脚本通りに言えば、どう見ても面白くなるだろうという感じはありました。

澤本：古沢良太という人の脚本は、見た瞬間にだいたいどうなるかってわかるんですか？

長谷川：読んだときに「古沢ワールドだな」というのはありますね。どの作品でもそういう感じがします。

澤本：映画『キサラギ』も素晴らしいですよね。ああいうのはなかなか書けないと思って。

長谷川：澤本さんとちょっと雰囲気が似てるんですよ、古沢さん。

澤本：僕はお会いしたことないんですけど、さほど面白くない人なんだろうか（笑）。

長谷川：そういう風にネガティブに言うところもちょっと似てらっしゃる（笑）。

澤本：前から長谷川さんに「古沢さんに似てる」と言われるんですよ。

権八：光栄ですよね。

澤本：光栄ですよ。ほぼ全ての作品が面白いので。伏線が回収されて。僕はだいたい伏線ばっかり張って、回収されないで終わってる人生みたいな。

権八：人生？ 人生がそうでしたっけ（笑）？

長谷川：澤本さんがつくられるCMも同じような雰囲気をまとっていて。出てくる登場人物が全員チャーミングですよね。

権八：確かに、ソフトバンクしかり、最近だとトヨタのガッキーも。

澤本：あれはガッキーがチャーミングなんだよ（笑）。

権八：でも、そういう人が変なやり取りをするみたいなものがお好きというか。

澤本：基本的に出てくる人はみんな真面目にしゃべってるんだけど、じつはネジが1本ズレてるというのが好きですね。