今年で第2回目となる「D&AD Impact Awards」（D&ADとAdvertising Weekの共催）の授賞式が米国ニューヨークで行われ、入賞作品が発表された。

米国アドバタイジングウィーク期間中に開催された「D&AD IMPACT」の授賞式の様子。

D&AD Impactは、よりよい社会やサステナブルな将来を導くために多大なるインパクトを与えたクリエイティブなアイデアを発見し、称賛することを、意義として掲げている。

部門は全部で12部門（市民活動部門、コミュニケーション＆インタラクション部門、コミュニティ部門、ダイバーシティ＆イクオリティ部門、教育部門、環境的サステナビリティ部門、ファイナンシャル・エンパワーメント部門、ヘルス＆ウェルネス部門、人道的活動部門、産業発展部門、レスポンシブルプロダクション＆消費部門、アーバンリビング部門）。

本年度は国際連合（本部：ニューヨーク）が掲げるサステナブルデベロプメント事業に従って、各部門の定義をより一層現代社会において適した内容へと更新した。それによって、健康、ジェンダーイクオリティ、児童福祉の問題を取り上げた作品が、数多くエントリーされたという。

最高賞であるBLACK PENCILには、State Street Global Advisors 「Fearless Girl」（McCann New York ）、Free a Girl Movement「School for Justice」（J. Walter Thompson Amsterdam）、そしてMinistry of Public Health, Afghanistan「The Immunity Charm」（McCann Worldgroup India）の3作品が選ばれた。

ダイバーシティ＆イクオリティ部門から選ばれた「Fearless Girl」は、今年のカンヌライオンズの4冠に輝いたことが記憶に新しい。「女性の地位向上」を目指す象徴として、ニューヨークのウォールストリートにあるチャージング・ブル（牛の銅像）の前に設置された少女像が話題を集めた。

教育部門「School for Justice」は、インド国内で深刻化する児童売春問題がテーマ。インドでは児童買春が多発しているが、犯罪として告発されることが少ない。それを防止するべく、児童売春から救済された少女たちを弁護士や検察官に養成するための学校をムンバイに設立した。

ヘルス＆ウェルネス部門「The Immunity Charm」は、さまざまな病気に対する予防接種率の低いアフガニスタンの子どもたちをウィルスから守る活動。子どもに着ける、邪悪な力を払いのけるというアフガニスタンの伝統的なブレスレットがモチーフ。医師が特定のワクチンを示す色のついたビーズを予防接種ごとに足していくことで、その子の医療歴がわかるようにした。

D&AD CEOティム・リンジーは、「本年度は優秀な作品や活動を発掘し称賛するだけではなく、優れたクリエイティビティによって導かれたビジネスがより良い社会をも導くその現状を見逃すことなくアワードを通して世界に共有する必要があると考えた。D&AD Impact は、私たちの未来を明るく照らすパワフルで革新的なアイデアを生み出す活動の全てを応援し続けたい」と話した。

D&AD IMPACTの審査基準は、オリジナルで革新的なアイデアであること。部門が対象とする分野において明確な結果を捻出もしくは実施されていること。対象となるビジネスのコマーシャルニーズに的確に反映されていること。その厳しい審査のもと、合計98作品が入賞となるペンシルを受賞。うち、金賞にあたるホワイトペンシルは12作品で、以下の通り。

※ホワイトペンシル（金賞）受賞作品
・Medcare Women & Children’s Hospital「Footnote For The Breast」（The Classic Partnership Advertising）
・Dot Incorporation 「Dot. The first Braille Smartwatch.」（Serviceplan/Serviceplan Korea）
・The Trafficking Exam（Area 23, An FCB Health Network Company ）
・ABAAD Resource Centre for Gender Equality「#Undress522」（ Leo Burnett Beirut）
・ Canadian Down Syndrome Society「Down Syndrome Answers」（FCB Canada）
・Boost Mobile「Boost Your Voice」（180LA）
・Black Lives Matter「Unsafety Check」（J Walter Thompson New York ）
・ Plan.Net「WhatsGerman」（Serviceplan/Plan.Net）
・Public Eye「Return to Sender」（Freundliche Gruesse）
・SickKids Foundation「SickKids VS」（ Cossette）
・TV-Aksjonen NRK & Red Cross Norway「25m2 SYRIA」（ POL）
・State Street Global Advisors 「Fearless Girl」（McCann New York ）

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