ローソンで見かける「揚げ物セルフ」、なぜコンビニ業界で広がらない? 約9600店に導入したローソンが明かす「全店展開しない理由」

セルフレジの導入が進む一方、コンビニのレジ横に並ぶ揚げ物(フライドフーズ)は、今も店員に注文して商品を受け取る販売方式が主流だ。そんな中、ローソンが「からあげクン」などのフライドフーズを客自身で取り出せるようにしたセルフ販売方式が、SNS上で改めて注目を集めている。

SNSでは「人と喋りたくなくて何としてでもセルフレジ使いたい勢の唯一の悩みが解消されていて涙を禁じ得ない…」「これはありがたい配慮」「これどんどん増えてほしいな」といった声が上がっている。店員に声をかけず、自分のペースで商品を選べることが、対面でのやり取りを避けたい人にとって大きな魅力になっているようだ。

こうした需要がうかがえる一方、揚げ物のセルフ販売はコンビニ業界全体では依然として一般的とはいえない。ローソンでも2019年から導入を進め、約9600店舗にまで拡大しているものの、全店への普及には至っていない。なぜ、フライドフーズのセルフ販売は広がりきらないのか。導入から約7年が経過したローソンに、普及を阻む課題や導入効果、今後の展開について聞いた。

写真 レジ回り からあげクン

ローソンのフライドフーズのセルフ販売

コロナ禍で導入拡大 「自分のペースで選べる」と好評

ローソンがフライドフーズのセルフ販売什器を新規店舗に導入し始めたのは2019年9月。当時はレジが混雑しているとフライドフーズを注文しづらいという顧客の声があり、客自身が商品を選んで取り出せる仕組みを採用した。店舗スタッフが商品を取り出す手間を減らし、業務効率を改善する狙いもあった。

その後、導入拡大の大きなきっかけとなったのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。ローソン店舗建設部の谷口洋一シニアマネージャーは「コロナ禍で高まった接触機会の削減を背景に2020年にセルフ販売什器の導入店舗を拡大した」と説明する。

セルフ化により、混雑時でも手軽にフライドフーズを購入できるようになったほか、レジの混雑緩和や店舗スタッフの作業負担軽減にもつながったという。

利用客からも「自分のペースで選べる」「気軽に購入できるようになった」といった好意的な声が寄せられている。

一方、セルフ販売の導入による売上や販売数量の変化を尋ねたところ、谷口氏は「セルフ販売の導入は売上向上を目的にはしていない」と回答した。

実際の売上や販売数量への影響について、具体的な数値は示されなかった。また、業務効率化の実績についても「作業効率化のみを目的とはしていない」と説明した。

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