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【ワカテの方が、ワカッテる?】注目のU30インタビュー:lyrical school篇

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夢を叶えていくことが、リリスクを盛り上げる

—話は変わりますが、今後こんな人と一緒に何か作りたい!という人はいますか?

キム:うーん、オープンリールアンサンブルの和田永さんとか…ずっと気になっています。

—和田永さんのライブ行きましたよ。かっこいいですよね。

キム:最近、彼がブラウン管をドラムみたいに叩いてる動画を見たんです。バンバンババンバンバンって叩くと映ってる映像も軽くひずんで、その様子がとにかくかっこよかった!一見どうなってるか分からない楽器を演奏するんですよね。なかには、扇風機ギターというのもあって。ちょっと言葉では伝わりきらないかもしれないですが、見た目もすごいかっこよくて。

ちょっと稚拙な言葉を使えばそういう「アーティスティックなもの」とリリスクがなんか一緒にできたりしたら、すごくかっこいいなと。結構尖ったことをしても、「リリカルスクールなら、これもはまるよね。」みたいな見え方にグループを持っていきたいなと思います。

尖っているけれど、世間にスッと受け入れてもらえる、そんな企画を考えたいです。そうすると、おのずとアイドル業界以外の接点を増やしていける。そういう意味では、僕が面白いと思う人、単純に個人的にかっこいいなと思う人と一緒にできたらいいですね。

—リリスクってトラックメイカーで音楽プロデューサーのtofubeatsさんの活動初期の頃から曲を作ってもらっていたりして、いいものを取り入れるのが早いですよね。スマホ視聴特化MVとかも。情報感度が高いというか。

キム:ありがとうございます。繰り返しになりますが、僕がまずかっこいいと思うのを入れるのがいいなと思っていて。tofu君に関していうと、僕が美大生の頃、アトリエでずっと誰かがtofu君の曲を流していた。それでいつか一緒に仕事したいと思ってました。

ある時、tofu君が出演してるイベントで声を掛けて。「tengal6(リリスク前身グループ)のプロデューサーやってます。」って言ったら、「ああ、知ってますよ。」って言ってくれたんです。暫くしてから「リリスクの曲作ってください」ってお願いしたら、気合の入った「プチャヘンザ!」っていうすごくいい曲を作ってくれたんですよね。あれはドリカムでしたね…。

—ドリカム…!夢が叶ったってことですね。

キム:個人的に、この人と仕事したいなと思ってた人といっぱい仕事してこれたし、それがリリスクにとっていい形になってきてると思います。僕の興味だったり、一緒に立ち上げたmza君の興味に根差してるもの。それがリリスクの軸になってるのかなとは思います。楽しいことしかやんないですし、楽しいですよ。

—メンバーの皆さんは、そんなキムさんの話を聞いてどう思いますか?

hime:キムさん、結構私たちの要望も聞いてくれるんです。例えばライブの構成とかもそうだし、ああいう人とこんなことやりたいとか。今、3カ月連続で対バン企画をやっていて、普通はアイドルさんってアイドル同士でやることが多いんですけど、私たちはラップアイドルなので、ラッパーさんを呼んでやってみたり。結構、そういう夢を叶えてくれるというか。

キム:…ドリカムですね。

—ドリカム!(笑)

minan:はい、私たちもドリカムしてます!(笑)

—デザイナーのmzaさんが作ってるリリスクのグッズやジャケットもすごくかわいいし、tofuさんも学生時代からのつながりで一緒に仕事ができてると思うと、同世代の友達って大事ですね。

キム:そうかもしれませんね。ファミリービジネス感はありますよね。ファミリーではないから友情ビジネスっていうか。

—あと、tofubeatsがアトリエで流れてたみたいな、周りに感度のいい人がいるっていうのも、大事ですね。

キム:僕、あんまり能動的にガツガツとインプットのできない人間なんですよ、学生の頃から。だから、好きな人が好きなものを好きになることも多いです。周りに感度のいい人が多いとは思います。あと、「思い出補正」が大きいですね。

—思い出補正?

キム:例えば、みんなでドライブしたときに聴いた曲だから、これはいい曲みたいな。完全に個人的な思い出も込みで大事な曲になって。でも、そういう個人的な感覚を大事にすることは、間違いなく今の仕事をいい方向に向かわせていると思うんですね。

—メンバーのみなさんは、情報のインプットってどうしてるんですか?

minan:うーん、Twitterは必須ですね。他のアイドルの子のリツイートを見たりとか。Twitterをやってないアイドルのほうが少ないかもしれないです。自分が情報を得るという意味でも、自分から発信するという意味でも、Twitterは大事です。

キム:そうね。単純に、どういう子なのかがTwitterは見えやすいよね。ライブって10分、15分で、そこにMCを組み込んでも自己紹介と告知しかすることができなくて、そういう状態の中でその子がどういう子なのか、やっぱり伝えきれない。

Twitterやらインスタやらいろいろやって、ああ、この子こういう食べ物が好きなんだとか、そういう情報をひとつでもみたいな。それがないと、どの子を推したらいいのかも分からないので、お客さんのモチベーション的にもTwitterは重要なのかなと僕は思ってます。

—Twitterがアイドルのパーソナリティを可視化するツールになっているんですね。

キム:でも、僕の周りの人の中には、Twitterをやめてmixiを中心にやってる人たちもいます。

—え、mixi!

キム:mixiで内輪でグループみたいなの作って、そこだけに日記回すみたいな。内輪感が逆に楽しいらしいです。

—ソーシャルでもクローズドな方に戻っているんですね。そういうこと教えてくれる友達が身近にいるっていいですね。

キム:そうかもしれないですね。あんまり僕はそういうことにアンテナを張って生活しているつもりはないのですが、自然と周りの方々に色々教えてもらえます。

あとは、食事や飲みの場でもみんな今1番面白いと思ってるものを教えてくれるから。いろんな人と飲んでると、違う人から同じものを勧められたりします。例えばAっていうアーティストが面白いって聞いた1週間後に違う人と飲んで、またAがいいよって聞いたら、いよいよ僕もこれ聴かなきゃだめだなって思う。

—確かに。このあと誰かに「mixiきてるよ」って言われたら、本当なんだ!って思います。

キム:これって多分お客さんも一緒で。変な話、『RUN and RUN』のMVはバズったけど、観てくれた人の数だけリリスクのライブのお客さんが増えるなんてことはないと思うんです。MVで1回見て、そのあとたまたまショッピングモールで見かけた2回目で初めて「あっ」と思うだろうし。違う方向から2回、自分の興味を刺激するようなものがくるだけでだいぶ違うかなと思います。

次ページ 「新体制になったリリスクのこれから」へ続く