メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

佐賀・宮崎・山口県知事らが登壇、新生ACC賞贈賞式を開催

share

全日本シーエム放送連盟(ACC)は、11月1日に、今年で57回目を迎える「2017 57th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の贈賞式および記念パーティをANAインターコンチネンタルホテル東京にて実施した。

本賞は、テレビ、ラジオCMの質的向上を目的に、1961年より開催されてきた広告賞「ACC CM FESTIVAL」を前身とし、2017年よりその枠を大きく拡げ、あらゆる領域におけるクリエイティブを対象としたアワードにリニューアル。2010年にマーケティング・エフェクティブネス(ME)部門、2014年にインタラクティブ部門、2017年に、メディアクリエイティブ部門とクリエイティブイノベーション部門を創設し、本年度は6部門での贈賞を行った。

本年度の応募総数は、2641本。贈賞式当日は各賞の贈賞を行った後、各部門の総務大臣賞/ACCグランプリに輝いた受賞作品の代表者が登壇。受賞スピーチを行った。

最初に登壇したのは、本年度新設されたクリエイティブイノベーション部門グランプリに選ばれた「COGY」のTESS代表取締役社長 鈴木堅之氏。COGYは、東北大学大学院医学系研究科客員教授 半田康延博士グループが研究開発した世界初の介護福祉機器。足が不自由な人に足で漕いでもらうことで、リハビリ効果も見込めるというこれまでになかった発想でつくられている。

鈴木社長は「素晴らしい発明であっても、社会で浸透させるのが難しかった。多くのクリエイターの力を借りて、多くの人にこの製品を届けることができた。この受賞は、車椅子を使っている人や迷っている人にも安心して使っていただけるきっかけになる」と話した。

次に登壇したのは、インタラクティブ部門グランプリを受賞した『東京都/東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会/リオ 2016 オリンピック大会閉会式東京 2020 フラッグハンドオーバーセレモニー』。チームを代表して、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CFO 中村英正氏が登壇した。

「この企画が始まった頃は、エンブレムの件でネガティブな空気があったが、その中で引き受けていただいた佐々木宏さん、椎名林檎さん、MIKIKOさん、菅野薫さんをはじめとするクリエイティブスタッフのもとに、若い才能が集まって、2020年を象徴するCMをつくることができた。他の受賞作品を拝見し、日本には多くの若い才能ある人たちがいることを実感した。そういう人たちと2020年に向けてポジティブな大会をつくっていきたい」と話した。

マーケティング・エフェクティブネス部門グランプリは、自治体が初受賞。『九州全県・山口県・沖縄県/ワーク・ライフ・バランス推進/九州・山口 ワーク・ライフ・バラン ス推進キャンペーン』に出演した佐賀県知事 山口祥義氏、宮崎県知事 河野俊嗣氏、山口県知事 村岡嗣政氏の3人の知事が、映像で着用した妊婦ジャケット姿で登壇した。

本映像は、ワーク・ライフ・バランスという国家的課題に対し、県知事自らが地域の枠を超え、公報ではなく「広告」という手法を使ってアプローチした点が高く評価された。山口佐賀県知事は真夏の撮影を振り返り、「今後、もっと育児参加できる地域を目指していきたい」と話した。

また、国内のみならず、本映像は世界188ケ国まで拡散されており、「私たちのメッセージが広く受け入れてもらった。海外に行ったときに、あの動画見ましたと声をかけられる」と、河野宮崎県知事。村岡山口県知事は「自分が妊婦ジャケットを着用して、主婦のみなさんが大変なことを実感した。ちょっとしたサポートがあるだけで、精神的に楽になると感じた」と話した。

贈賞式終了後のパーティ会場では、妊婦ジャケットの体験コーナーが急きょ設けられた。

そして、2年連続ラジオ部門のグランプリを受賞したのは、『大日本除虫菊/おでかけカトリス・蚊がいなくなるスプレー・プ レシャワー・虫よけキンチョール・キンチョール/金鳥少年 2017 その 1~5』。

このシリーズはラジオCMには珍しく、SNSで話題を集めた。大日本除虫菊宣伝部課長 小林裕一氏は「個人的にラジオが大好きで、ラジオのついての可能性を常に考えている。だからこそ、このCMをつくることができたのではないかと自負している」と話した。

フィルム部門Aカテゴリーグランプリを受賞したのは、『住友生命保険/1UP/「海外、向こうで 1UP 入国審査官の証言」篇 他』。主題歌を歌った竹原ピストルさんが主題歌賞も受賞した。

住友生命保険取締役代表執行役社長 橋本雅博氏は「私は広告の力を信じていて、いつかお宅の会社のCMはいいねとほめてもらえたら、と思っていた。夢物語だったが、それが1UPで実現することができた」と話し、このCMによって若年層への認知度が高くなったことを明かした。

最後に登壇したのは、フィルム部門Bカテゴリーグラプリ受賞作品『ソニー・ンタラクティブエンタテインメント /GRAVITY DAZE 2/GRAVITY CAT』を制作した奥山雄太氏。これは、すでに海外広告賞でも高い評価を得た作品。奥山氏は本年度小田桐昭賞を、ディレクター柳沢翔氏はディレクター賞も受賞した。

奥山氏は「この映像は、30歳前後の同世代の若いチームで、世界が驚くものをつくろうという気概で制作したもの。つくる過程でも、これで本当に世界が驚くのかと、1フレ、1ピクセルを信じてつくった。そういうチームの熱量が映像に宿ったと思う」と話した。

2017 57th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 入賞作品を上映する発表会は、11月22日を皮切りに、全国で開催される。