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コラム

ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜

「72時間ホンネテレビ」が示した可能性を遠回りしながら考える

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視聴率で地上波テレビと比べることに意味はない

でもね、仮に間をとって0.5%だとしても、ネットで立ち上げたメディアが視聴率換算でこんな数値だったとしたら、やっぱりすごいことなんです。広告代理店で、テレビを扱ってる人ならそう思うはず。

一方で、今年の日テレの24時間テレビの平均視聴率が18.6%だったり、批判されることの多いフジテレビの27時間テレビが平均7.7%だったり、どえらい数値なんだということもわかりますね。テレビってバケモノのようなメディアなんですよ。

こうやって散々、水を差すような「視聴率に換算したら意外に低い」ことを書いてきて、今度は180度ちがうこと言いますと、視聴率で地上波テレビと比べることに意味はない。7400万という数字から何かを考えても仕方ないですね。わかったのは結局、そういうこと。

実はこの記事は、角田陽一郎さんのこのコラムに刺激されて書いてます。BAUSというメディアに載っていました。(角田さんとは前に雑誌「宣伝会議」で鼎談をしていて、それ以来交流しています。TBSを辞めて、バラエティ番組をつくるという意味ではなく、何でもプロデュースするという意味のバラエティプロデューサーをやっている方です。)

角田陽一郎の「2017年、的。」#4テレビが変わる“新しいきっかけ”

角田さんは、こう書いています。

「つまりこの『ホンネテレビ』の反響を視聴率という概念で測ることが無意味になったことこそが、テレビ界での“新しいきっかけ”なんだと思うのです」

そうだよ!視聴率に換算するとかやったけど、そんなこっちゃないんだよ!

あるいは、仮にさっきの試算「0.78%」だったとして、それなのにこの話題の盛り上がりはなんだ?ということですよ。視聴率とは関係なく、こんなに日本中に話題を振りまくことができるんだよ!視聴率とか7400万とかに振り回されずに、私たちが気づいたのは、驚いたのはそこです。

水を差すと言っておいて、結局、褒めているのかな、私は。

でもAbemaTVにはもう少し言いたいことがあるので、すぐさま続きを書こうと思います。AdverTimes編集部の皆さん、そうしちゃっていいですか?

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Borer 」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書「拡張するテレビ – 広告と動画とコンテンツビジネスの未来-」。株式会社エム・データ顧問研究員としても活動中。お問合せや最新情報などはこちら