目的を明確にすることでツールの利用価値を最大化
第3部では、大広のカスタマープロモーション局のプロデューサーである山口大道氏が、まず今日におけるマーケティングパートナーとしての「あり方」について持論を展開した。
「ただKPIを改善するだけでは不十分です。そのKPIを改善することで、そもそも何を達成することができるのか。部分最適で終わらずに、全体最適かどうかの視点も意識しなければなりません。場合によっては、本当にそのKPIが妥当かどうかクライアントと議論すべきです」。
同氏は、自身が担当する製薬会社において、「ADMATRIX DSP」のインバナー動画を活用した事例を取り上げた。
「従来の動画施策は、YouTubeやGYAOといった動画プラットフォームに配信することが定石です。『ADMATRIX DSP』は、ユーザーの行動に合わせて、既存の静止画バナーを動画に変換できると知り、テストマーケティングに使ってみようと考えました」。
クライアントとは、目的と課題をしっかりと議論・共有することで施策の意義を明確化。そこで、「CPM(1000インプレッションあたりの到達コスト)と、動画の完全再生率」をKPIとすることとした。
フルスピード側からは、配信時におけるノーム値を出してもらい、数値がどこまで改善できるか、週単位で細かく注視した。その結果、それぞれの数値が、劇的に改善したという。
「成果につながった要因は、3つあると思います。1)クライアントと何のためにやるのかを徹底して議論し、施策の位置づけを明確化したこと。2)出てきた数値結果を、「数値」のみで捉えず、なぜ、そうなったのかを掘り下げて都度議論したこと。3)こちらの無理難題なオーダーに対して、フルスピードが、社一丸となって対応してくれたこと。クライアントやベンダーとの良好な関係性があったからこそ、好転したと言えます」。
最後に「デジタルにこそ、感情を」という山口氏の考えを述べた。単なる数値結果として留まらず、なぜそのような結果に至ったかを「思い巡らし」、感情を読み解く発想力が必要だと提言し、講演を結んだ。
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