効果的だった5つのマネタイズ施策を公開
第1部では、「YonYで売上120%増!アメブロが行ったマネタイズ 効果的だったTOP5&失敗ワースト3」と題し、サイバーエージェントの田平淳二氏とAmebaカンパニーの梅本拓馬氏の二人による、パネルディスカッションを行った。ファシリテーターはAJAの小越氏が務めた。
すでに確立された収益モデルから離れ、ユーザビリティの向上を優先しながら5つのマネタイズ施策を実施。結果として前年同期比120%の増収をもたらした。
具体的に紹介されたのが以下の5つの施策だ。
① 広告配信サーバーの内製化
他社サーバー使用時に比べて、コストの軽減やロジックなどブラックボックスとなっていた箇所の明瞭化、障害時の対応速度改善が実現できた。
② 新フッターモジュールの導入
記事下に出る広告モジュールのことで、コンテンツと広告が混在するネイティブアド形式でレコメンドされるウィジェット。回遊性の向上につながったため、収益性が115%向上した。
③ 広告表示改善
広告とその周辺領域も含めたデザインのABテスト形式検証を繰り返し行い、最適なものを選択し続けることにより最終的にRPMが大きく向上した。
④ 速度改善
ブログの表示に関する箇所を大きく刷新することでページ読み込み完了までにかかる時間が半分ぐらいに削減でき、それによりファーストビューに表示される広告のCTRが110%向上した。
⑤ SSPのフロアプライス運用
いくつかの広告枠で特定のSSPに在庫を100%任せていたが、この配信比率を60%程度まで下がるようにフロアプライスを調整した。40%の在庫については他のデマンドや自社広告を流すことにした。結果、SSPの収益はほぼ下がらず、残りの在庫を再販できたため、全体の収益は120%向上したという。
「これが一番早く収益を上げられる方法だと思う」(田平氏)。
失敗事例から学ぶ、広告配信の見極め方
続いて紹介されたのが、これまでの失敗事例のワースト3となるものだ。
① デバイス毎のアドネットワーク選定
あるアドネットワークがAmebaアプリにおいて、非常に高いRPMを出していた。
その結果を受けてPCブラウザにも導入したのだが、結果として数%のカバレッジしか出ずに収益が改善しなかった。
「これは恐らく、当該アドネットワークはスマホアプリの利用が多いため。PCブラウザ利用者があまりいないことが原因だと思われる」(田平氏)。
② スマホブラウザ×ダイレクト動画による失敗
ブラウザで自社広告動画を配信したものの、結果としてRPMが1割減になってしまった。
「広告商材を動画で配信したからといって、必ずしもシーリテラシーが上がるとは限らないことが分かった」(田平氏)。
③アドネットワークのリスク
外部のアドネットワークの配信比率を増やしたところ、薬機法に抵触していると思われるクリエイティブが出てきた。
「RPMを上げる際にはブラックリスト配信も行う。当社では自社での監視体制が沖縄にあり、掲載の可否ルールに則ったクリエイティブかどうかをチェックする」(梅本氏)。
第一部の最後に梅本氏は、「一年間広告に携わってきたが、ユーザビリティを含めたコンテンツ×広告という部分を適性に行うことが、やはり一番の勝ちポイントだと思う。また、広告をどのように配信するかでユーザーの印象は変わる。各社のメディアに適した広告があるはず。その広告がどのようなものかを見極め、慎重にやっていただきたい」と話を締めた。
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