「サザエさん」の番組提供はAmazon、日産? ネット広告もテレビの「提供」というスタイルから学ぶことができる

【前回の記事】「2018年、テレビ視聴計測が変わる。それは、広告業界の「平成」が終わる準備かもしれない。」はこちら

1社提供というスタイルが持つ価値

画像提供:iStock / Getty Images Plus(David McNew/151368933)

テレビアニメ「サザエさん」のスポンサーがどこか、話題になっています。Amazonが決まったとか、西松屋や大和ハウスだとか、さらに日産もだとか。ネット上では、Amazonがスポンサーになると、磯野家は何でもネット通販になって、三河屋のサブちゃんに注文しなくなるのでは?というネタが盛り上がっていますね。

Amazonのスポンサー決定は共同通信が、日産は時事通信が伝えていて、通信社が競い合う題材にもなっています。そんな、大ごとでしたっけ?

ひとつの番組のスポンサーが代わるなんて、しょっちゅうあることなのに、これほど関心を呼ぶのも珍しい。それもこれも、東芝がスポンサーを降りることが、先にニュースになっていたからでしょう。つまり、まず「東芝がサザエさんを降りるなんて!」が衝撃で、だからこそ「次はどこか?」が気になっていたわけです。

それくらい、東芝と「サザエさん」は密接な関係でした。いわゆる「一社提供」で、「サザエさん」で流れるテレビCMは、すべて東芝。「明日をつくる技術の東芝がお送りしまーす!」とテーマソングが終わると、サザエさんがアナウンスしていました。

実際は、1998年にすでに一社提供ではなくなっていましたが、その後もイメージ的には東芝提供という印象を強く残していました。それくらい切っても切れない関係でした。それが、この春で降りるということで、ニュースになったわけです。

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境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

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