コラム

アンバサダー視点のススメ

マーケティング4.0の「究極の目標」は、顧客を推奨者にすること

share

【前回の記事】「広告主の皆さん、2018年はネット上での「宣伝行為」を一度あきらめてみませんか。」はこちら

コトラー教授が提唱する「マーケティング4.0」とは

出典:iStock / Getty Images(itakayuki・864527226)

前回のコラムでは、「2018年はネット上での『宣伝行為』を一度あきらめてみませんか。」という少し宣伝部の方々に失礼な話を書かせて頂きました。

本来、宣伝や広告という言葉は、いわゆる「営業行為」や「売り込み」とは違ったはずです。しかし残念ながら、現在のネットユーザーからすると、「宣伝行為=売り込み」という印象が強くなっているという考えが、前回のコラムを書いた問題意識の背景です。

ただ、仮にネット上での「宣伝行為」を諦めた場合、「では、どうすれば良いのか?」ということが重要なテーマになります。

今後のネット広告やデジタルマーケティングの位置づけを考える上で、個人的に参考になると考えているのが、書籍『マーケティング4.0』です。

『マーケティング4.0』は、近代マーケティングの父と称されることも多い、フィリップ・コトラー教授の新刊です。

コトラー教授と言えば、1968年に出版された書籍『マーケティング・マネジメント』に代表されるように、マーケティングの歴史をつくった人でもあります。どちらかと言うと、伝統的なマーケティング理論の人と思っている人も多いのではないでしょうか。

実は筆者も失礼ながら、以前はそう思い込んでいた一人だったのですが、この本は副題に「Moving from Traditional to Digital」(日本版は「スマートフォン時代の究極法則」)と書かれているように、デジタル時代におけるマーケティングのあるべき姿について考察しています。

象徴的なのは、従来の「AIDA」や「AIDMA」のような従来のカスタマージャーニーのフレームワークに対して、「5A」というデジタル時代のカスタマージャーニーを提案し、その上で伝統的マーケティングとデジタルマーケティングの統合を提案している点です。

書籍の中では、「伝統的マーケティングが認知と関心の構築に大きな役割を果たす」「デジタルマーケティングの最も重要な役割は、行動と推奨を促すこと」と明言しています。

実際に、マス媒体とデジタル媒体を組み合わせてマーケティングしていれば、ある意味、当然の話と受け止める人も多いでしょう。

同時に数百万人、数千万人の視聴者にテレビCMを流すことができるテレビのようなマスメディアでは、当然ながら認知獲得が容易にできます。

一方で、デジタルは、コンテンツマーケティングを通じて、認知よりも深い興味や好奇心を醸成したり、メールやチャット、ソーシャルメディアを通じて、一人ひとりに丁寧にコミュニケーションを行ったりすることで、見込顧客に実際に製品を試してもらったり、顧客にファンになってもらったりすることに向いているわけです。

同じ「広告」であっても、ネット広告は企業側の宣伝メッセージを大量に配信して売り込むよりも、ネイティブアドやスポンサードコンテンツと呼ばれるようなユーザーが興味を持つコンテンツのほうが、効率が良くなります。

筆者も、書籍『顧客視点の企業戦略』の中で同様の役割分担を提案しましたが、『マーケティング4.0』を読んで改めて、その方向性に自信を深めた次第です。

さらに、マーケティング4.0では、「究極の目標は、顧客を感動させて忠実な推奨者にすることである」と明言しています。

次ページ 「広告が嫌われる要因は、「認知」のみを重視するKPI」へ続く

Follow Us