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印刷物ツールの体験価値は、商品価値の一部を担う

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消費者がオンラインメディアに慣れたいまこそ、体験性のあるツールで感性に訴える─コニカミノルタ ジャパンが1月29日に開いたセミナーで、ボルボ・カー・ジャパンのマーケティング部ディレクター・関口憲義氏、ニューバランスジャパンのDTC&マーケティングディレクター・鈴木健氏、GRAPH代表の北川一成氏らが鼎談。コニカミノルタ ジャパンの新型印刷機「JETVarnish」を用いた特殊印刷の、プロモーションでの活用について意見を交わした。

左からボルボ関口憲義氏、ニューバランス鈴木健氏、GRAPH 北川一成氏・コニカミノルタの「JETVarnish」を活用した、小ロット・高品質印刷の販促ツールについて可能性を検討した

生き残ったツールが語る印刷物の価値とは

「JETVarnish」の印刷例。

「(自動車業界の中では)小さな規模だからこそ選択と集中。そして残したものにこそ価値がある」─とはボルボ・カー・ジャパンのマーケティング部ディレクター・関口憲義氏の弁。プロモーションで印刷物を用いるケースは少なくなりつつあるが、根底は共通しそうだ。

ボルボの年間販売台数は全世界で57万台余りで、ホンダの約10分の1。

「だからこそ、少ないリソースでどのように戦うかが、マーケティング上最大の課題」と関口氏は明かす。

「たとえば、新聞広告、一般誌の純広告は原則やめました。全国統一展示会用の新聞折込チラシも、新規の店頭来客との因果関係がほぼないので中止」(関口氏)

関口氏が「なくせないもの」と話すのは、カタログとダイレクトメールだ。

「カタログは購入検討時の情報提供に加え、ブランドイメージを確かなものにし、紙質や印刷の品質、工夫が高級感を裏付けます。高級感を表現できる」(関口氏)

一方のダイレクトメールでは、「Eメールより紙製のほうが目に触れる可能性が高いと考えている」と話す。

「魅力的なコンテンツが用意できるなら、奇をてらわなくても開封率は高い。逆に、開封アイデアにばかりコストをかけてもその場限りで、費用対効果は悪い」(関口氏)

ニューバランスジャパンは販促資材の効率化を進めているが、その中でもコストを割くものがある。店頭ツールやパッケージだ。同社のDTC&マーケティングディレクター・鈴木健氏はこう話す。

「店頭ツールは商品より前に消費者と接触するので、低品質だとイメージが悪くなる。また購入後、靴箱の手触りが悪くても気持ちを損ねてしまいます。つまり、よい経験を与えるツールは、商品価値の一部を担う。直に触る、距離の近いものは、紙が最も説得力がある」(鈴木氏)

パッケージはプロモーションにも活用している。

「スポーツ用品業界では発売前の話題作りで、影響力の高い人に商品を配布するケースがあるのですが、商品はもちろん、パッケージに相当凝っています。少量しか作らない分、強いインパクトを持つようにしています」(鈴木氏)

デザイン分野からGRAPHの北川一成氏は「人間、全く経験のないことはいくら考えてもアイデアは出てこない」と指摘。実際に「JETVarnish(ジェットバーニッシュ)」を使用したという。

「通常なら400万円はかかる箔押しを、デジタルデータで版をつくらずにできた。かかるのも箔材の値段だけ。『デジタルは安いが劣る』と思っていたが、従来の箔押しに比肩するし、印刷業者が見てもわからないと思う。1枚から印刷可能なので、試し刷りできるのもいい」(北川氏)

「JETVarnish」は特殊なインクジェット技術で箔の上にニスを盛ってエンボス加工したり、箔の上にさらに箔を重ねることもできるため、つい触りたくなるような印刷物を制作できる。こうした特長には関口・鈴木の両氏も目をつけた。

「1枚からできるということは、顧客属性を細分化して、嗜好に合わせて表現を変えたダイレクトメールを出せるかもしれません。いずれトライしてみたい施策です」(関口氏)

箔押しなどの特殊印刷はコストがかかるため、端から選択肢から外してしまいがち。しかし、小ロットから試せるのであれば、プロモーションの一手に加える価値は十分にありそうだ。



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