神戸市の産業とクリエイティブ産業をつなぎ、神戸市のまちの未来をプランニングしていく仕事だという。
その募集の背景、そしてプロデューサーに求められる役割とは。
クリエイティブ産業を強化しまち全体を活性化する
2008年にユネスコの創造都市ネットワークのデザイン都市に認定され、2012年にデザインや創造の拠点施設として「KIITO」(デザイン・クリエイティブセンター神戸)を開設した神戸市。このようにデザインやクリエイティブに力を入れているが、「産業構造という視点で見れば、神戸市は実は都市型創造産業(=クリエイティブ産業)に弱みがあります」と神戸市 経済観光局 経済政策課の丹沢靖さんは言う。
都市型創造産業とは、クリエイターが関わることで、既存産業の高付加価値化やイノベーションを誘発することができる産業分野と神戸市では定義しており、例えば、広告やデザイン、映像などコンテンツ制作、インターネットサービス業などを指す。
図1を見てわかる通り、神戸市は鉄鋼業などのものづくりや食分野の産業は強い。一方で、クリエイティブ産業はまだ弱く、他の大都市と比べても規模は小さい。「神戸市内の企業の多くは、東京など他都市のクリエイターに制作を発注しており、それが市内からの資金流出にもつながっているという課題がありました」(丹沢さん)という。
この状況を変えるためには、神戸市内で活動するクリエイターを増やし、市内で受発注が循環するようにしなければならない。
そのためのネットワーク(プラットフォーム)をつくり、市内での経済循環をつくり出していくのが、このたび募集する「統括プロデューサー」の役割になる。
このプラットフォームの担う役割は大きく3 つの柱からなるという(図2)。1 つは市内企業とクリエイターのマッチングを行い、市内に仕事を創出していくこと。2 つめは、神戸のクリエイター同士のコミュニティ形成や交流拠点を整備し、神戸をクリエイターが活動しやすいまちにしていくこと。3 つめがクリエイターのビジネス支援で、神戸市内で起業を考えるクリエイターを支援するインキュベート施設の開設を考えている。
さらに、このプロジェクトはクリエイティブ産業の活性化にとどまらず、神戸市の産業全体にインパクトをもたらすものになると、神戸市 クリエイティブディレクターの山阪佳彦さんは話す。「神戸には山も海もあります。鉄鋼業から農業や漁業まで、コンパクトなエリアの中に幅広い産業が存在するまちです。クリエイティブ産業が盛んになれば、こういった既存産業と掛け合わせて新しい価値を生んだり、既存産業にイノベーションを起こすことができるはず。
つまり、クリエイティブ産業に力を入れることは、神戸の産業全体を活性化することにつながります。それがこのプロジェクトの一番の意義なんです」。少し足を伸ばせば、すぐに農業や漁業の現場がある。そんな神戸ならではの距離感が、東京など大都市の仕事にはない面白さを生むだろうと話す。
お問い合わせ
神戸市役所
TEL:078-322-5323
http://www.city.kobe.lg.jp
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