東北新社が所属クリエイターを業界に開放、新組織「OND°」誕生

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総合映像プロダクションの東北新社が社内の企画演出、編集を統括し、クリエイティブセンター「OND°」を立ち上げた。その狙いとは。

「OND°」の皆さん。

映像制作の未来を担う人材を育成する

東北新社はテレビCM をはじめ映像制作に携わるクリエイターの育成に力を注ぐため、従来の企画演出、編集を1 つにまとめた新組織「OND°」(オンド)を今年7 月に設立した。「OND°」にはディレクター33人、プランナー10 人、エディター15 人の計50人を超える映像クリエイターが所属する。

「僕らはこれまでテレビCMの世界で、徹底的にクオリティを追求し映像を作ってきました。ところが最近は、映像の活用の幅が広がるにつれて制作者や制作体制も多様になり、ハイクオリティな映像を作ることへの価値が理解してもらいにくくなっています。だからこそ視聴者、広告主、クリエイターの皆さんに『やっぱりすごい、見てよかった』と感じてもらえる映像を世の中に増やしていく必要があるんです。そのために東北新社では、映像制作に携わるクリエイターのスキルを高め、アウトプットの質を向上させていきたい」と同社 取締役の中島信也さんは語る。

新組織の立ち上げは、人材育成面の狙いが大きい。同社 執行役員/Production2プレジデント/クリエイティブセンター長の河西正勝さんは次のように話す。

「誰もが映像を作れるようになったいま、大事なのは人を育てることだと思います。結局のところ、人が持つアイデアや技術の部分でクオリティに差がついてくる。映像制作のプロには、目的を達成するアイデアを出し、実現する力が求められます。そうした力を養うためにも外部での経験は重要だと考え、体制を変えるに至りました」。

1人ひとりにスポットが当たる組織体制

これまでの体制から最も大きく変わるのは、仕事の受け方だ。同社ではプロデューサー主体で仕事を受け、制作チームに社内のクリエイターをアテンドする形をとってきたが、「OND°」では外部との協業が可能になる。クリエイター個人に指名が入れば、東北新社以外のチームに参加できるのだ。

それは業界に人材を輩出することにもつながり、同時に所属するクリエイター1 人ひとりにスポットを当てることもできると、同社 企画演出部長の蔵原康之さんは言う。

編集においては、同社が映像テクノアカデミア内に持つ編集チームとオムニバス・ジャパンとの連携を強化し、スケジュール管理や連絡窓口を一本化。さらに今後は、エディターも社外チームに参加可能になる。

一方、外部との連携が増えることで“競争”が生まれる側面もあるという。「最近の若手を見ていると、制作に関しては貪欲ですが、ビジネス感覚が欠けていると感じます。第一線で活躍している人は経験や才能も当然ありますが、ビジネス感覚を強く持っています。外部と協業できる環境は、クリエイターが自らを売り出していくことや、外部との関係構築を考える機会になり、それはいい意味での競争意識を持つことにもつながります」と中島さん。

ロゴデザイン。「OND°」のネーミングからロゴ制作まで所属クリエイターが手がけ、全員による投票で決定した。映像業界において、「音頭」がとれる、「温度」が描ける組織でありたいという思いが込められている。

個人の勢いが会社の成長につながる

クリエイター1人ひとりが表に立ってさまざまな制作に携わることは、外部との新たな接点も生む。

「最近は映画やテレビドラマを手がけているディレクターもいます。今後はこうしたCM 制作以外にも携わる動きが加速することを期待しています。業界を横断して活躍するためのバックアップを『OND°』ではしていきたい」と蔵原さん。

最後に中島さんは、「当社では採用時に将来的なポテンシャルも注視しています。現在所属するクリエイターはみんな才能を秘めているので、業界に対して、ご紹介するような気持ちです。外部でのさまざまな経験を増やすことで、最終的には今後の映像業界を牽引していくようなクリエイターを『OND°』から輩出していきたい」と話した。

左から、東北新社 編集部長の三浦知之さん、執行役員/ Production2 プレジデント/クリエイティブセンター長の河西正勝さん、取締役の中島信也さん、企画演出部長の蔵原康之さん


お問い合わせ
OND° http://www.ond-crc.jp
企画演出部(担当:田邉香寿恵/磯飛恵)
〒107-8460 東京都港区赤坂4-8-10 2F
03-5414-0470
cr@ond-crc.jp

編集部(担当:針谷光子)
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