変化するインバウンド市場、“旅ナカ”施策の重要性が高まる

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4兆円を突破したインバウンド消費。2020年に向けてさらなる市場の拡大が見込まれている中、その実態は変化が起きているという。訪日観光客の目的が多様化する今、いかにインバウンド施策を行っていくべきか? 無料スマホ「handy」で観光事業にイノベーションを仕掛けるhandy Japan 岩田氏、独自のインバウンド施策で注目を集めるパルコ 山口氏が対談を行った。

左)パルコ 都心型店舗グループ本部 マーケティング担当 業務課長 山口 豪氏
右)handy Japan 岩田行雄氏

団体客から個人客へ。消費動向にも変化が

山口 豪氏

山口:ここ最近、パルコの来客層に変化が見られています。従来、他の百貨店に比べると中国人観光客の割合が低く、タイや香港からの旅行者が多いパルコですが、ここ最近は中国からの来店が増え、今は訪日観光客の4割が中国人という状況です。

パルコは団体旅行のお客さまが一度にお買い物をするような商品をあまり置いておらず、必然的に個人旅行のお客さまや日本へのリピーター層が多くなる傾向があります。ここ数年で、中国からもリピーターの個人旅行客が増えたということでしょうか。

岩田:中国人の観光客が団体ツアーから個人旅行へと移行している傾向は、統計上にも表れています。消費傾向にも変化が生じ、これまで“爆買い”という言葉が象徴していたような家電やブランド品、お菓子などから、アパレルや化粧品へとシフトしているようです。中国人の消費動向からは、旅行回数を重ねれば重ねるほど、アパレルや化粧品など個人の嗜好やテイストが入る買い物が増える傾向が見られます。

こうした変化の中、パルコさんはインバウンド施策としてどんなことを重視しているのですか?

山口:実はインバウンド施策についても、今まさに変化が求められていると感じています。何年か前に主流だったのはWi-Fi整備。パルコでも急ぎ対応したのですが、今は観光客の「モバイルの使い方」そのものが変わってきたような気がしています。自分たちも、海外に旅行するときはレンタルwi-fiやSIMを借りますよね。ネットに繋がるだけではなく、快適に、自国にいるときのようにスマホを活用したいというニーズが高まっているのではないでしょうか。

求められる“旅ナカ”サービスの強化

山口:そうした変化の中、重視しているインバウンド施策は二つ。一つ目は、モバイル決済のインフラを整えること。中国では、屋台やタクシーでもアリペイやウィーチャットが利用でき、急速に普及しています。

岩田:インフラを整えるとなると、投資の額も大規模になりますよね。

山口:おっしゃる通りです。現在は、昨年11月に上野にオープンした新店舗「PARCO_ya(パルコヤ)」の全ショップと、パルコで最もインバウンド売上の高い札幌の店舗で、中国人観光客の来店が多いショップにiPadを導入し、モバイル決済できる環境を整えています。

岩田:新店舗のパルコヤは、上野のアメ横に近い立地にオープンしたとあって、インバウンドの動向にも注目が集まっています。

山口:もともとは「足元商圏」、つまり近隣のお客さまの来店を狙ってオープンしましたが、想像以上に訪日観光客が多く来店しているようです。中国人留学生のインフルエンサーを呼んで、SNSに投稿してもらい、パルコヤの認知を上げる施策も行っています。

岩田:まさに“旅マエ”施策ですね。

山口:ただ、最近はさまざまな企業がこの手法を取っており、斬新とは言い難いのが正直なところ。そこで重視している二つ目の施策が、近隣商業施設と共同でお客さまを呼び込むことです。最近の取り組みとしては、近くの商業施設でお買い物をしたお客さまに、パルコのレストランクーポンを配布。合計700枚以上を回収することができました。

パルコ1店舗だけでお客さんを呼ぶのはなかなか難しいため、近隣の施設さんと連携した取り組みが必要。従来の“旅マエ”の呼び込み施策から、モバイル決済の整備や旅行先での相互送客など、“旅ナカ”のサービスの強化へと、求められる施策が変化してきていると感じています。

モーメントを捉えた個人単位のマーケティングを

岩田行雄氏

岩田:街を丸ごと気に入ってもらい、再び訪れてもらうためのアプローチに変化している。山口さんのお話は「handy」を導入してくださっているホテル側のニーズとも重なります。

「handy」は、ホテル客室向けの無料スマホレンタルサービスであり、レジャー観光客の知りたい「買い物」「飲食」「遊ぶ」の3つの情報について掲載するメディアでもあります。ホテル側としては、ホテル内で飲食や買い物をしてほしい一方で、それだけでは連泊するお客さまが飽きてしまう。ホテルや商業施設、飲食店など、そのエリア全体で相互送客することで、結果的にお互いがウィンウィンになるのです。

山口:街ごとの取り組みが重要ですね。「handy」ではそのエリア、ホテルごとに、紹介する店舗やメッセージの出し分けができるのですか?

岩田:住所(バナーの場合は都道府県単位で、プッシュ通知なら銀座や六本木エリアなど抽出可能)や使用する言語でセグメントできるため、ホテル単位で施策を打つことはもちろん、その施策がどこからきた人にどう響いたのか効果検証することもできます。パルコヤさんに来店した人が、ホテルの中でどういうコンテンツを読み、ホテルの外でどんな行動をしているのか、個人特定をしない範囲で情報を取得できるため、ある程度のペルソナ像を掴むことができるのです。

山口:端末ごとに動きが追えるのが、マーケティングのツールとして面白いですね。

岩田:もはや“訪日観光客”と一括りにできる時代ではありません。旅行の目的や観光客のカルチャーも多様化する中、そのエリア、その瞬間のモーメントを掴んでアプローチするという、マーケティングの中では王道的な考え方が、重視されていくと思います。こうした変化の中で、 “旅ナカ”の訪日観光客にリーチしやすいプラットフォームの一つとして、「handy」がお役に立てると嬉しいですね。



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