ユーザーに寄り添う、コミュニケーションで満足度向上 オズモールの「Oracle Service Cloud」活用事例

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データがつなげるカスタマージャーニー Vol.1


【対談者】
スターツ出版 管理部 CS推進グループ 担当部長 中村由照氏

日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 事業開発本部 ビジネス企画・推進部 CX Cloud
担当マネジャー 中里美奈子氏

女性向けWebメディア「OZmall(オズモール)」を運営するスターツ出版は、メディアとコンテンツが共存するサービスで年間の利用客も多く、リピーターの数は実に7割という。その強みの背景には、2014年に設置したCS推進室(現CS推進グループ)による真摯なサービスの改善がある。ユーザーが増加する中、多様化するニーズや問い合わせに対応して顧客とのエンゲージを一層深めるため、2017年に導入したのが「Oracle Service Cloud」だった。
「オズモール」はいかにOracle Service Cloudを活用し、どのような効果を感じているのか、CS推進グループ担当部長の中村由照氏に話を聞いた。

“かけがえのない女友達”に最善のサービスを提供するために

「かけがえのない女友達」という位置づけで、コンテンツならびにサービスを展開する「オズ」と「オズモール」。

中里:中村さんが所属するCS推進グループの役割について教えていただけますか。

中村:私たちスターツ出版は、今年で創業36年目を迎える出版社です。「感動プロデュース企業へ。」というビジョンのもと、紙とデジタルでコンテンツを展開しながら、宿泊施設やレストラン、ビューティサロン等の予約サービスによって「体験」も合わせて提供することで、ユーザーのライフスタイルを提案する事業を行っており、特に「ユーザーに寄り添う」ことをテーマにしています。

「オズモール」では1996年の誕生以来、読者やユーザーを「かけがえのない女友達」と位置づけ、サービスを展開してきました。このコンセプトはコンテンツの編集や予約サービスの改善はもちろん、CRMやマーケティングにおいても意識しています。特にCRMではLTV(顧客生涯価値)をベースに、ユーザー一人ひとりと末長いお付き合いができるようなコミュニケーション方法を「Life Time Communication」と名付けて実施してきました。

CS推進グループの前身であるCS推進室は、「かけがえのない女友達」に対するコミュニケーションを向上させるために2014年に発足しました。それ以前のユーザー対応は、各事業部がそれぞれの事業と並行して行っていたのですが、この方法では各事業部の判断基準によって対応に差が出てしまいますし、人材や労力の問題で対応しきれないという問題もありました。そこで専任の部署が必要ということで立ち上がったのがCS推進室です。

CS推進室の業務は大きく3点。まずひとつがメールや問い合わせフォームによるユーザーサポートです。「オズモール」ではコールセンターは置かず、メールとWebのみで対応しています。現在、年間で約2万件の問い合わせがありますが、専門部署によるスピード感のあるきめ細かい対応を実現したことで、発足前と比較すると約30%の件数削減に成功しています。

2つ目が「オズモール」の施設予約サービス「OZのプレミアム予約」に対する口コミ投稿を掲載するかどうか判断することです。口コミに対しては、その内容がクレームや問い合わせであればユーザーサポートも行います。2017年はプレミアム予約に対する口コミは約16万2000件寄せられていますが、そのすべてをCS推進室メンバーで目を通し、判断を行っています。こちらは利用者の増加にともない年々投稿数も増え、前年比で約1万7000件増加しています。

3つ目がCS推進室に集まるユーザーの声を生かした改善活動となります。問い合わせや口コミで集まったユーザーからの改善希望などをまとめ、毎週行っている各部署とのミーティングで共有し、いつまでにどのような対応をするのか決めています。社内だけではなく、プレミアム予約に掲載されている施設に対しても、ユーザー対応用の資料を作成しコンサルティングも行っています。「オズモール」にも掲載されるキャンペーンや新しい施策が始まる際は、CS推進室がUIやUXをチェックしています。

多くの企業での導入実績が魅力、他業界の知見が得られる―3つの課題から考えたツールの刷新

—そうした取り組みを進めるなかで、Oracle Service Cloudを導入し、活用を進めている背景にはどのような課題があったのでしょうか。

中村:2017年の3月から「Oracle Service Cloud」を導入しましたが、実はそれ以前にも他社のクラウドのFAQサービスを利用し、一定の効果は感じていました。しかし、使っていくなかで、同時に3つの悩みも抱えていました。

ひとつは、スマートフォンに最適化するレスポンシブデザインではなかったこと。「オズモール」利用者の7割はスマートフォンからなので、UIは改善の必要がありました。

2つ目は関連質問の表示順序がユーザーの閲覧状況に最適ではなかったことです。ユーザーが本当に知りたい情報が上位に出てこないという状態は、お客さまに寄り添えていないのではないかと感じていました。

3つ目がフリーワード検索で最適なFAQにたどり着けないというものです。「オズモール」のコンテンツは多岐に渡っているので、そもそも検索条件の絞り込みが複雑だったという事情もありますが、そこを分かりやすい形にしたかったのです。

そこで既存のサービス継続と国内の他ベンダー、オラクルさんの計3社を比較検討しました。決定のポイントになったのは、AIを使ったナレッジベースによる学習と最適化が当社の課題解決につながると感じたことと、さまざまな業界のトップクライアントがオラクルさんのサービスを導入しており、その知見も得られるのではないかと思ったことです。また、金額で決める企業さんもあるかとは思いますが、当社では先の課題解決をするために最適なツールを選択しました。

―他の導入企業では、どのような課題が多いのでしょうか。

中里:BtoCの企業でお客さまとのやりとりがある企業が多いです。最近ではコールセンターを持っていても、問い合わせ件数の増大などによるコスト面の課題解決を目指す企業もあります。カスタマーエクスペリエンスの向上という点でも、今の消費者は問い合わせよりも自分で解決したいという傾向が強くなってきているので、そうしたニーズも増えています。また37の言語に対応しているので、旅行・観光業界などインバウンド向けの企業にも利用が広がっています。

「オズモール」では、「Oracle Service Cloud」を導入し、FAQサービスの質向上を図る。

次ページ 「自分たちに必要な機能を取捨選択、運用することで成果につなげる」へ続く

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