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2018年は、ラジオ媒体としてはデジタルオーディオ及びデジタルオーディオアドに注力した年でした。
ラジオリスナーが「ラジオ」を「ラジオ」として聴く時代から、「音声コンテンツ」として聴く時代に入り、今はまさにその過渡期だと思います。リアルタイムでなくても、自分の好きな番組、お気に入りのMCの放送を、スマホやPCから手軽に聴く環境がさらに整いました。
radikoでは10月から「radikoオーディオアド」がスタートし、ターゲティング指定配信広告ができるようになりました。音声以外のデジタル広告で当たり前に実施できていることが、radikoオーディオアドでも可能になったのです。
オーディオ(音)は、企業メッセージ等を直接「耳」に届けることができます。マクロミルの調査によると、スマホの平日の利用状況は、何も聴かずに画面を見ている人、スマホからラジオや音楽を聴いている人など、スマホを通して「耳」から情報が入る可能性のある消費者が8割。
聴く態勢で音声を楽しむので、700万人と言われるオーディオユーザーの「耳時間」に情報を発信することは、リーチ獲得に有効だと感じています。今後はターゲティングできるインタレスト項目が増える予定ですので、ラジコはオーディオアドとして一つの指標になると期待されます。
また、ラジオ番組は音声放送だけでなく、出演者の動画を作成・再生する、書物の作成、クライアントのオウンドメディアで再生する、など二次利用の動きが活発になってきています。このようにラジオ媒体は番組を一つのコンテンツととらえ、様々な方法で配信する=多くの人にリーチするメディアとして、さらにコンテンツが重視されると思います。
それぞれの放送局がそれぞれの局の特徴を活かした番組(コンテンツ)作りをすることで、ラジオがもともと得意としてきた、パーソナリティとリスナーの向き合い(face to face)を活かし、音声ならではの「エンゲージメント」作りが強固になるのです。

