日本の広告界を代表する210名のアドバイザーが参画をし、いま日本の広告界が議論するテーマを持ち寄り、企画される「Advertising Week Asia」。そのアドバイザリーボードのメンバーたちが今、日本の広告界が向き合う課題、そして希望についてリレー形式で語っていく。
(「Advertising Week Asia 2019」アドタイ読者限定割引ページはこちら)
【執筆者】
Advertising Week Asia
Executive Director
吉井陽交 氏
電通をはじめとして広告業界において25年間の営業経験と10年間の経営サイドでの経験を持つ。FMCGおよびヘルスケア分野を得意とし、主に外資系クライアントに対して多くのブランド施策およびキャンペーンを実施してきた。また外資とのJVにも詳しい。昨年までは電通ワンダーマンのCEOを務めてきたが、WPPとの提携解消後電通に帰任、11月に電通を退社し、その後Advertising Week AsiaのExecutive DirectorとともにPotomac International Partners/Global advisorなども務める。
消費者を、そして社会を「熱狂」させるコンテンツの力とクリエイティブ
「Advertising Week」にようこそ、私は今年、事務局長を務める吉井陽交です。ほとんどの皆さんは経験していないと思いますが、私が広告業界に入った1983年は広告がキラ星のごとく世間の注目を集めていました。
糸井重里さんの「おいしい生活。」の広告を知っている人も、少なくなってきたかもしれません。アルベール・カミュをモチーフにしたサントリーのCMが私の広告業界入りを強く後押ししました。
それから20年あまり、外資系クライアントの営業を長く務めたのちに経営のことも知りたいと方向転換。グループ経営を担当する部門に異動して担当したのが当時黎明期にあたるネット広告のグループ企業。アド・エクスチェンジ、アド・マーケットプレイスなどの言葉に初めて接した時でした。それからさらに10年、気づけばデジタル・マーケティングをやりたいと、グローバルでもデジタルに長けたWundermanとの合弁会社のCEOに収まっていました。
さて、私の経歴はこのくらいにして本題ですね。
少し理解して欲しかったことは、ブランドにCR、レガシーメディア、さらにはデジタルの全ての洗礼を受けてきたということです。