【前回コラム】「未来のブランド価値創造を阻害する、行きすぎた「効率経営」とは」はこちら
久々の更新となってしまいました。編集のSさん、大変ご迷惑をおかけしました! さらにSさんから、不肖藤井のコラムにも多少の読者がいらっしゃるとのお話を聞き…読んでいただいている方にも重ねてすみませんでした! さて、しばらく寝かせたゆえ(?)に、考えがまとまってきたこともあり、第8回以降は体験ブランディングの実践に向け、自分なりに大事にしているマインドセットのようなものをお話ししていこうと思います。今回はロングタームの視点で「体験ブランディングにおける顧客は誰か?」について考えてみます。
私たちは「新しい世代のお客様」に恋してもらうために働くべき!
<体験ブランディングで未来をつくるためのマインドセット>(1)ロングターム
〜長期視点、ブランドの歴史の一部として今と未来を考える
(2)ブランドマイニング
〜ブランドの本質価値を掘り起こし、再編集する
(3)主観と覚悟
〜ブランドの未来地図を主観と覚悟を持って描く
(4)プロトタイピング
〜社会にダイブして、新しい世代に再編集した価値を問う
(5)ベネフィットサーキュレーション
〜ステークホルダー全員が幸せを享受するサイクルをつくる
いきなり結論ですが、体験ブランディングにおける顧客とは、既存のユーザーではなく未だブランドにアクセスしたことがない人たち、つまり「ブランドの未来を支えてくれる新しい世代」です。
ロングタームの視点に立つと、「ブランドは未来に続くものである」という大前提があることに気づくはずです。私のような広告のクリエイターはもちろん、ブランドマネジャーや経営者までも、自分の寿命より長く続くであろうブランドの歴史の一部であって、この時代にブランドを預かっているに過ぎません。「ブランドを未来にしっかり残す」という使命を意識しながら、どの方向に新たな一歩を踏み出すのかを決める。とても大きな責任を負っているのだと、最近しみじみ思います。
第5回で、ブランドが主語で独りよがりに価値を押し付けるのではなく、ブランドとユーザーが共創して価値をつくる時代になったということを書きました。今の社会でユーザーと共に新しい価値をつくるためには、ブランドが自分自身の過去・現在・未来を行ったり来たりしながらブランドの根源的な部分と向き合う必要があります。これが「ブランドマイニング」です。新しい世代に恋をしてもらうためのブランド価値の再編集はここから始まります。
KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。
「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です
会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします
藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
1999年から博報堂でインタラクティブクリエイティブを軸に統合キャンペーンを手掛け、その後グループ内ブティック、タンバリンに参加。2016年より同社代表に就き「ハッピーアワーズ博報堂」に社名を変更。
“これでいい…”という消極的選択が溢れる成熟社会で、「ブランド」と「生活者」の関係性をアップデートする“至福”の体験価値をクリエイティブし、ブランデイングとマーケティングの両輪を動かしている。
藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
1999年から博報堂でインタラクティブクリエイティブを軸に統合キャンペーンを手掛け、その後グループ内ブティック、タンバリンに参加。2016年より同社代表に就き「ハッピーアワーズ博報堂」に社名を変更。
“これでいい…”という消極的選択が溢れる成熟社会で、「ブランド」と「生活者」の関係性をアップデートする“至福”の体験価値をクリエイティブし、ブランデイングとマーケティングの両輪を動かしている。
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。