【対談】
橋田和明さん(HASHI/クリエイティブディレクター)*BC部門審査委員
原野守弘さん(もり/クリエイティブディレクター)
2019 59th ACC TOKYO CREATEIVITY AWARDSが6月3日にエントリースタートしました。中でも、昨年新設され盛り上がりを見せたのが、「ブランデッド・コミュニケーション部門(以下、BC部門)」。同部門の審査委員が、メダルの色に関わらず「これが好き」という基準で選んだ昨年の“This one”作品のクリエイターと本音トーク! その作品、どうやって生まれたのよ? そしてぶっちゃけ、この部門どんな感じよ?
審査委員が作品をカテゴリー移動
橋田:
実はこの作品(GODIVA「日本は、義理チョコをやめよう。」)、デザインカテゴリーに出品されていたんですよね。
原野:
BC部門って「CM以外全部」と言っておきながら、いわゆる「広告(Advertising)」を出す枠が無いんだよね。グラフィック広告は「デザイン」のサブカテゴリーになってしまっているから。PRって「広告とは違うぞ」っていう意識で審査されることが多いので、新聞広告は出しにくい。
橋田:
確かに、カンヌだとPR部門ではいわゆる「広告」を嫌うので、落ちちゃいますね。
原野:
「カテゴリー間違い落ち」はいやだなと思ってデザインのほうに出しました。一応、サブカテゴリーには、新聞広告と書いてあったから。
橋田:
審査をする中で、「これはPRだろう」となってカテゴリーを移したんですよ。社会へのメッセージというものを新聞広告でつくろうとしているのが、まさにPRだろうと。
「新聞広告×PR」の金字塔
橋田:
この作品はどういうオリエンから始まった仕事なんですか? 僕、実はこれが出た瞬間から嫉妬していました。
原野:
これ、グランプリだと思うんですけどね。シルバーだと聞いて、審査委員がシルバーだな、と思いました。
橋田:
すみません(笑)。これ、さすがなのは新聞広告をそのまま見たわけじゃなくて、ソーシャルメディアで新聞広告の写真を目撃しました。メッセージも素晴らしいし、その接触のさせられ方が仕事として嫉妬しちゃいました。
