ACC賞審査委員長対談 多田琢氏(フィルム部門)×菅野薫氏(ブランデッド・コミュニケーション部門)

【対談】
多田 琢 氏(TUGBOAT/クリエイティブディレクター・CMプランナー)
菅野 薫 氏(電通、Dentsu Lab Tokyo/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター)

多田 琢 氏(左)と菅野 薫 氏(右)。

新しく今年のフィルム部門審査委員長に就いた多田琢氏と、昨年創設されたブランデッド・コミュニケーション部門(以下、BC部門)の審査委員長である菅野薫氏による対談。クリエイティビティのど真ん中と、広告周辺領域のフロンティアとで今なにが語られるのか。部門への思いは?アワードの意味とは?これからのクリエイティブはどうなっていくべきか!?

審査ってなんだろう?

菅野:

多田さんが審査委員長って、意外です。

多田:

まずそんな柄じゃないって自分で思うね。でも受けちゃったからなぁ…不良のフリしてたらいつの間にか生徒会長やっているっていう恥ずかしさ?審査委員長って、ちょっと現役感が薄いしね。あれ、俺はこっち側なの?っていう一抹の寂しさ。それで今度は審査委員を決めなきゃってことになって依頼すると、「審査する側には行きたくない」っていう人もいてね。そういうの聞くと、「うん、その判断は素晴らしい!」って思う(笑)。

多田 琢 氏

菅野:

できればそっち側の人間でいたいと思いますよね(笑)。

多田:

人のつくったものを審査することの、僭越さがそもそもありますからね。

菅野:

そもそも、アイデアに順位があるのかという話もありますし。

多田:

そうそう。グランプリって、きっとそれぞれが「これがグランプリだ」と思っているものがあると思う。そして審査会に行ってそれが違っていたことを確認しに行くような感じ。

菅野:

以前フィルム部門の審査委員を担当させてもらったときに、少し捉え方が違うなと思ったんです。応募数の違いもあって特にBC部門と違うのは、ゴールドが今年のベストテンという認識で議論していますね。ゴールドに入ることがすごく特別で、順位に関していうとそこに入っている重みが大きいなと。グランプリはその中の一番かというと、また少し違って「今年はこれを褒めるべきだろう」という文脈とか提言があって決められる。

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