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『ニコラ』編集部とつくる「一生のファン」~熱量の高いコミュニティはどのように生まれるのか

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読者が集まる体験イベント

『ニコラ』では、読者が憧れのニコ㋲に会える「開放日」と呼ばれるイベントを行う。1000名規模で毎年3月に開催する大型の「開放日」のほかに、月1回会議室で行う「ミニミニ開放日」もあり、抽選で選ばれた読者が集まって、ニコ㋲と遊んだり、スナップ撮影したりして楽しむ。

編集部にとっては読者から直接話を聞く機会であり「付録を読者に直接見せ、体験してもらうこともあります。例えばリップなら、実際に塗ってもらい、色や匂いについて感想を聞き、良いものを厳選しています」(小島氏)。

ロート製薬と組んだ「肌ラブ出張開放日」は全国で開催。

「開放日」には企業もブースを出展しリサーチなどを行う。『ニコラ』がスポンサーと組んで行う読者イベントもある。例えばロート製薬では、全国に出向いてニコラ読者にスキンケア体験をしてもらう「出張開放日」を行ってきた。(2019年7月現在8エリア実施済み)

「ロート製薬さんは中学生市場に対して意識が強く、読者を会場となるホテルに招きます。読者はスイーツを楽しんだり、ニコ㋲と一緒に正しいスキンケアを体験したりして、最後にはロート製薬の(体験した)商品ももらいます。モデルにも会ったことのない中学生読者にとっては特別な体験です。エントリー層にスキンケアの大切さを理解してもらえますし、楽しく学ぶことで、おそらく一生ロート製薬ファンでいてくれるはずです」(小島氏)。

ワイモバイルも『ニコラ』と組んで、モデルと撮影できるイベントを開催している企業の一つ。スマホを初めて所有するタイミングは読者世代と重なる。「イベントの参加条件は保護者同伴。読者はモデルに会いたいので、親を一生懸命説得してきてくれます。ブースで、親子一緒に価格などのメリットの説明を受けるので、その場で、親の分も含めて即契約、ということも起きています」(小島氏)。

未来の顧客を開拓したい広告主にとって、中学生読者が集まるリアルイベントは、コミュニティに合わせたマーケティング活動を行う機会になっている。

『ニコラ』ではYouTubeのチャンネルで動画を配信するほか、LINEやTikTok、Instagram、Twitterも行う。

「接点が1カ月に一度というのは、今の世代の読者にとっては遅いサイクル。発売日を忘れられないように、ソーシャルメディアを活用して『今月号のこの内容はみんな見たかな?』と問いかけています。それも、ただ編集部が発信するのではなく、ニコ㋲がコメントを発信することで、より読者の関心を集められるようにしています」と小島編集長。

デジタルやイベントと、読者との接点を広げ、読者コミュニティを活性化しながらも、その中心には雑誌がある。

「読者は動画も画像も、スマホの小さな画面で見ています。それに対して一目で大きく見られるのは雑誌。ニコ㋲を見たくてページをめくっていると、新たな興味の対象に出会えるのも雑誌のいいところ。付録も楽しみの一つです。『ニコラ』で情報を得るのが好きと言ってもらえる理由は、こうした雑誌ならではの形態にもあると思います」(小島氏)。

※本記事は『雑誌広告2.0』に掲載されているものです

雑誌広告2.0』では、編集長がどのように読者インサイトをつかんでいるかをインタビュー。雑誌を活用したマーケティング事例を豊富に掲載しています。

「どんな雑誌がどんな施策をしているのか」まとめて読みたい方におすすめ、雑誌・雑誌広告の基礎データ 付録付きです。

 

<目次>
CHAPTER1:読者に深く寄り添う雑誌のメディア価値

・雑誌と組んでファンを呼び込む デジタル時代の雑誌メディアの使い方
・人を動かすことに秀でたメディア 「ミドルファネル」における雑誌の役割
・熱量の高い「コミュニティ」 どのように生まれているか
・掲載すると商品が動く、その理由は? 情報受容度の高い読者と雑誌の関係

 
CHAPTER2 :雑誌×デジタル・イベント・商品開発 広告主の雑誌活用事例 30

<インサイトをつかんだ、深く刺さるコンテンツで行動促進したい>

・コーセー「ヴィセ」×講談社『ViVi』
 専属モデルと人気俳優を起用したラブストーリー動画が拡散

・ポケモン『ポケモン GO』×ハルメク『ハルメク』
 読者の声から商品の訴求ポイントを発掘 イベント実施やガイドブック作成も

・愛知ドビー「バーミキュラ ライスポット」×光文社『VERY』
 Instagramアカウント「Cooking VERY」を開設 毎日使える調理器具を訴求

・アサヒ飲料「カルピス」×ベネッセコーポレーション『サンキュ! 』
 お手伝いできる子になってほしい 母親読者のインサイトをついた誌面づくり

 ほか

 
<雑誌のネットワークを活用した注目度の高い取り組みで、ユーザーの関心を高めたい>

・プリモ・ジャパン「アイプリモ」×『with』『ViVi』『JJ』『ar』『sweet』
 女性誌5誌連動 モデル・女優がブライダルジュエリー店舗を訪問

・ソフトバンク「ワイモバイル」×新潮社『ニコラ』
 雑誌モデルを起用し、クラブを結成 本誌、動画、リアルイベントを展開

・ロエベ ジャパン×ハースト婦人画報社『エル・ジャポン』
 雑誌、付録、ムービー、交通広告、書店イベントのフル展開

・資生堂「アクアレーベル スペシャルジュレ」×集英社『LEE』
 インフルエンサーのInstagram 投稿 動画の外部配信で拡散

 ほか
 
<雑誌コラボでユニークな商品を開発したい、オウンドメディアをつくりたい>

・ZOZO「ZOZOTOWN」×マガジンハウス『BRUTUS』
 「夢を叶える」アイテムを開発して大特集 ECサイトで購入できる仕掛け

・パナソニック「J コンセプト」×小学館『サライ』
 アクティブシニア層が乗りたいと思える電動アシスト自転車の開発

・カーサプロジェクト「カーサカリーナ」×宝島社『リンネル』
 暮らしの心地よさを軸に住宅全体をプロデュース

 ほか

 
CHAPTER3:関心を集め、人を動かす編集力

『VERY』『BRUTUS』『ViVi』『ハルメク』『リンネル』『Safari』『dancyu』
『サライ』『レタスクラブ』『Number』編集長インタビュー

 
CHAPTER4:デジタル時代の出版コンテンツのこれから

・雑誌の価値を可視化する
・雑誌公認インフルエンサーのマーケティング活用
・編集者視点のメディアプランニング
・雑誌が担う役割と出版社のこれから
 
付録
・雑誌の基礎
・雑誌広告の基礎
・電子雑誌、デジタル広告の状況
・出稿計画の立て方
・用語集