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パラドックス 取締役
田島洋之
創業期から自社の採用・経営に携わりながら、現在はコピーの力を採用戦略から企業のブランディング領域へと展開。主な受賞歴は、TCC新人賞、OCC部門賞、リクルート社求人広告グランプリ、グッドデザイン賞、BtoB広告賞、宣伝会議賞金賞など。
私が宣伝会議賞に取り組んでいたのは、今からもう17年前。当時にして、すでに第40回。現在、中高生部門に取り組んでいるみなさんが、生まれる前からずっと続く、歴史あるコンテストです。なのに、歴代の作品を眺めていると、いまでもジーンときたり、クスッと笑えたりする。「部長が目にしみる。」
※1
、「父親の席は、花嫁から一番遠くにある。」
※2
……記憶に残る作品は、時代が変わっても、変わらない人間の面白さ、いとおしさが伝わってきます。
※1 「部長が目にしみる。」(第47回宣伝会議賞グランプリ/課題:シービック「30才以上の大人の男性に『気づき』を与え、大人のニオイを防ぐデオナチュレ男シリーズを広めてください。」「デオナチュレ男シリーズ」)
※2 「父親の席は、花嫁から一番遠くにある。」(第42回宣伝会議賞グランプリ/課題:キヤノン販売「手ブレ補正機能で遠くの被写体も確実にとらえる光学10倍ウルトラソニックズーム搭載のデジタルカメラ『パワーショットS1IS』を自由に表現してください。」)
※2 「父親の席は、花嫁から一番遠くにある。」(第42回宣伝会議賞グランプリ/課題:キヤノン販売「手ブレ補正機能で遠くの被写体も確実にとらえる光学10倍ウルトラソニックズーム搭載のデジタルカメラ『パワーショットS1IS』を自由に表現してください。」)
世の中のたくさんの賞の中でも、老若男女誰もが気軽に取り組めて、かつ、こんなにも面白い言葉の大喜利大会もなかなかないと思います。日本語独特の面白さを気軽に楽しむチャンスでもあります。身構えず、気軽な気持ちで、言葉の世界に触れるきっかけにしていただければと思います。
取り組み方のアドバイスですが、ひとつ「数を書いてみる」のも手です。
たとえばサッカーの「走る」や「蹴る」という動作を考えてみましょう。人それぞれで、同じ動作をしているようでも、その人の筋肉や骨格によってオリジナリティが生まれます。「書く」という行為に関しても同様で、その人らしく、無理なく自然に書けるフォームがある。そのフォームは、数を書いているうちに見えてきます。