コラム

「シェアしたがる心理」のこれからを考える

佐渡島庸平氏×天野彬氏 対談 「SNSは熱量からサステナビリティへ」-コミュニティの本質を考える【後編】

share

【前回コラム】「佐渡島庸平氏×天野彬氏 対談 『SNSは熱量からサステナビリティへ』 -コミュニティの本質を考える【前編】はこちら

前編に引き続き、電通メディアイノベーションラボでスマートフォンユーザーやSNSの動向に関する研究/執筆/コンサルティングを手掛ける、電通の天野彬氏。クリエイターのエージェント会社「コルク」でファンコミュニティ形成・運営を行い、従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテインメントのモデル構築を目指す、佐渡島庸平氏の2人に、ファンの獲得や若者とのコミュニケーションの取り方にも大きく関わるSNSとコミュニティの本質について話を聞いた(収録日:2019年4月8日)。

写真左から、コルク・佐渡島庸平氏、電通・天野氏。

企業にとって至上命題になったユニークユーザーの把握

天野:マーケティング全体の潮流としてもユニークユーザーを捉えることが、どんどん重要視されるようになってきていますね。データの扱いに関しても、CookieからIDへといわれるようになっているのは、断片的なものから統合的なものへ、顔の見えるユニークユーザーをどう把握するかという方向性の中から生まれてきた考え方だと思います。

佐渡島:実際、ユニークユーザーを捉えた企業だけが勝っています。ユニクロは典型ですが、原料調達から製造・販売、さらにアプリの開発まで自社で行っています。これにより、ユニークユーザーをしっかりと捉えることができている。いま苦しくなっている企業や業界を見ると、ユニークユーザーベースの顧客データを持っていないケースがほとんどです。

例えば、書店やスーパーマーケットなど小売店を通して商品を販売している出版社やメーカーなどは顧客データが手に入らず、苦しくなってきていますよね。

顧客データを把握してプッシュできる手段を持っていれば、たとえ店舗数を減らしても、そこに人を誘引して1店舗あたりの利益を上げるなどの施策を実施することができる。しかし顧客データを全く持っていない企業は店舗数を増やしたり、テレビCMを打つなどして、とにかく接点を持つところから投資しなければいけない。非常にコンバージョンが悪い投資をしながらのビジネスになってしまいますよね。

結局のところ顧客データまで全てを自社で管理することがビジネスの全てになっている。そして顧客データを持ちやすい接点のひとつがSNSなのだと思います。

次ページ 「コミュニティマーケティングの深化とSNSとの深い関係」へ続く

Follow Us