2020年に向けて危機管理体制を見直す クリッピングを活用して一体感を醸成するには

危機管理広報のセオリーのひとつに“組織が一体となった対応”が挙げられる。新聞記事のクリッピングによって社内の情報格差をなくし組織の一体感を醸成する、そんなサービスを提供するのがエレクトロニック・ライブラリー(ELNET)だ。

エレクトロニック・ライブラリー 取締役
渡辺 英史(わたなべ・ひでふみ)氏

1989年読売新聞社に入社。広告企画部調査課、メディア推進部デジタル開発課長、メディア局データベース部次長などを経て2018年から現職。

危機が発生したときには、役員から現場の従業員までが、組織として一体感のある対応をすることが重要となる。「日ごろから社内での迅速な情報共有体制を整えておくことで、組織の一体感を醸成できます」と話すのは、エレクトロニック・ライブラリー(ELNET)取締役の渡辺英史氏だ。

1988年から著作権処理済みの記事クリッピングサービスを提供している同社。全国紙や地方紙、専門紙などの新聞108紙から、企業の担当者が希望したキーワードに合致する記事を自動で抽出し、午前7時台に提供する「モーニングクリッピングネットワーク型」が主なサービスだ。

強みはスピード、スマート、ストレートの「3S」。社内ネットワークを使って、午前7時台に社員のPCやスマートフォンに記事を配信することができる「スピード」。記事は著作権許諾済みのため「スマート」に社内展開でき、新聞に掲載されたままのイメージで「ストレート」に見ることができる。現在、約1300の大手企業や官公庁などが利用している。

※ ELNETと日本経済新聞社が協調して提供しているサービス

広報のプレゼンスを上げる

渡辺氏は「広報が主導する形で社内の情報共有を促進させるには、特に“管理者機能”が活用できます」と説明する(図1)。この機能を使うことで、ELNETが提供した記事の中から、広報が「これだけは社員に読んでもらいたい」という記事だけをピックアップして従業員に共有することができる。

加えて、記事ごとにコメントを書き込むこともできるため、閲覧画面で重要なニュースがひと目で分かるようになる。「取材記事」「リリース記事」「競合記事」など、ワッペンを付けるようにコメントを入れたり、掲載されるに至った背景を紹介するコメントを記入したり。「広報のプレゼンス向上にもつながります」と渡辺氏。

この作業を繰り返して社内からのフィードバックを受けるうちに、経営層や従業員が知りたがっている情報や判断の癖まで分かるようになってくるという。「広報は常に、トップに進言できるような人間関係と、風通しの良い社内体制を築いておく必要があります。そのため、日ごろから組織の行動に目を向けて、階層を超えた情報共有を工夫しながら行うことが大切です」。

メディアの著作権侵害に注意

さらに渡辺氏は「昨今では、企業のコンプライアンス意識が高まる中、社内での情報共有時の著作権意識の低さから問題を起こす場合があります。組織体制づくり以前に、まずは法的に問題がないか確認を」と警鐘を鳴らす。

企業が新聞や雑誌の記事を複写・複製するには、媒体社や著作権管理団体などと許諾契約を結ぶ必要がある。そのため、許可なく複写して社員に配布したり、PDFをイントラネットで公開したりする行為は著作権侵害に当たる。外部からも閲覧できるホームページやSNSなどでの公開も同様だ。

ELNETでは著作権処理済みの記事を提供しているが、企業が自己責任で複写・複製の許可をとる必要のある競合サービスも存在するため、見極めが必要だ。

そして万が一、実際に危機が発生した際にもクリッピングサービスが役立つ。情報収集を自動化できるため、広報担当は社内外からの対面での情報収集や取材対応に専念できる。ELNETでは、リスクの内容に合わせた登録キーワードの変更にも迅速に対応している。

渡辺氏は、危機に直面したときの広報担当の役割の重要性を説く。これまでの人脈や緊急対応力、予測能力など培ってきたスキルが試されるからだ。「広報の方々が、いざというときに広報としての総合力を機敏に最大限発揮できるよう、日ごろから信頼できるクリッピングサービスを使いこなしてほしい」と提言している。

CHECK

新本社の「108紙ギャラリー」 会員限定で地方紙や業界紙を閲覧

エレクトロニック・ライブラリーは2019年7月、東京・京橋の新本社に移転。9月10日には、新本社内に「108紙ギャラリー」がオープンした。全国紙のほか、47都道府県を網羅する地方紙・ブロック紙、ビジネス系を中心とした業界紙や専門紙など合計108紙が揃うスペースで、会員であれば閲覧できる。「新聞の魅力を再発見してほしい」という想いで、毎朝クリッピング用に取り寄せているメディアを活用した形だ。

同様の施設は、国立国会図書館や東京都立中央図書館、日本新聞博物館(横浜市)などがあるが、同ギャラリーはビジネス系に特化しており、それらに匹敵する希少な場となっている。また、ひとつのデータベースで所蔵記事の横断検索ができるのも他にはない機能だ。

 



お問い合わせ

株式会社エレクトロニック・ライブラリー
カスタマーサポート部

〒104-0031 東京都中央区京橋2-12-6
TEL:03-6271-0672
E-mail:contact@elnet.co.jp
URL:https://www.elnet.co.jp

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