コラム

ブランドなんか大嫌いなブランド担当者が33年かかって、たどり着いたブランド論

なぜ、ブランドについて語ろうと思ったのか?

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ブランド論の教科書通りにやってみても、ブランドはつくれない

©123RF

今、世の中には「ブランド」という単語があふれています。

「ブランド」についての情報もたくさんあります。

「ブランド」に関係する仕事をされている方も多いと思います。

最初に言っておきます。

もし、あなたが「ブランドは差別化である」とか、「ブランドは約束である」といった言説を信じていたのだとすれば、絶対にブランドはつくれません。まして「ブランドは第五の経営資源」などと言い出したら末期症状。社内で「ブランドかぶれの頭でっかち」と言われてしまいます。実務においては、机上のブランド論をそのまま信じて、教科書通りにやってみたところで、ブランドはつくれないのです。

では、どうしたらブランドをつくれるようになるのでしょうか。このコラムではブランドとは実務者にとって、そもそも何なのかを明らかにして、ブランドをつくる現実的な方法を、難しい言葉をできるだけ使わずに、皆さんに紹介できればと思っています。

私はダイキン工業(世界ナンバーワンのエアコンのメーカー)で33年間、ブランドに関係する仕事をしてきました。企業ブランドの構築を中心に、ルームエアコンの新ブランドである「うるるとさらら」の導入、ゆるキャラの「ぴちょんくん」の誕生にも携わってきました。

自分で言うのも何なのですが、まじめな一面もあり、よりよいブランドをつくるために、本当にたくさんのブランド本を読み、様々なブランド戦略を論じるセミナーに参加してきました。

なのに、そこで得た知識やノウハウのほとんどが、実際のブランドづくりではなかなか周囲から理解されず、方法論を展開しようにも、うまく進みませんでした。正しいことをやっているはずなのに、なぜなのか…?自分の能力が足りないからなのか、自分の会社が特別なのだろうかとずっと悩み続けてきました。でも、他社のブランド担当者に話を聞くと、みんなが私と同じことで悩んでいる。

私の悩みが整理され、何が足りなかったのかが、わかったのは5年前のことです。ブランド論の本当の意味や、ブランドをつくる実務者としての方法論が明確になるまでにはブランドに携わってから実に28年もかかりました。このコラムを読む、今ブランドで困っている方や、これからブランドに関わる方々から、私がかつて抱えていた悩みがなくなり、私のような無駄な回り道をせずにすむことになれば、こんなにうれしいことはありません。

日本に『すばらしいブランド』が存在しないのには理由がある

アップル、NIKE、スターバックス等、グローバルには誰もが認める、人間でいえばスーパースターともいえる、本当に『すばらしいブランド』が存在します。

では「日本におけるスーパースターブランドは何?」、「あなたの会社、商品、サービスはすばらしいブランドだと思いますか?」と聞かれたらどうでしょうか?
日本には、すばらしい企業や製品・サービスはありますが、残念ながら日本のブランドでアップルみたいに誰もが認めるスーパースターブランドはありません。自分の関わっているブランドは、そこそこのレベルのブランドという方が大半ではないでしょうか?

著名な学者の方々、世界的なブランドコンサル企業、マーケティングが上手な企業の中で『すばらしいブランド』をつくり、育てている優秀なマーケターの方々が書かれたブランド論、ブランド構築の方法論の本は存在しますし、これらをもとに懸命にブランドをつくろうとしている人もたくさんいます。それなのに日本には、『すばらしいブランド』は存在しないのです。

あなたの関係するブランドも、今ひとつの状態とするならば、やっぱり何かがおかしい。そこには理由があるはずです。

 

次ページ 「ブランド論のとおりにやらないのにブランド価値は高い企業」へ続く

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