「もしかすると、カルロス・ゴーン氏が述べていることは本当かもしれない」。そう思った人も数多くいたかもしれない。その時点でこの会見は勝ちである。もちろん、勝者はカルロス・ゴーン氏とその家族である。
日本時間の1月8日夜に行われた、2時間25分の長丁場の記者会見。筆者は、早回しも含め、2回半見て分析をした。さらに細かい分析をするために週末にあと2回ぐらい見直すだろう。各PR会社さんも行っているに違いない。
今回の会見から学ぶことは非常に多い。筆者も8日の深夜から分析活動をし、9日にはいくつかのクライアントさんにレポートを提出したほか、分析会議が行われた。学ぶべきことが非常に多いのと、社長のプレゼンテーションの教科書としては見習うべきところが非常に多かったからである。ただし今回は、プレゼンテーション的視点は後回しにし、会見の内容だけに集中して分析をしてみたい。
筆者は、この事件の真実や行く末に関してはジャッジする立場にはないというスタンスである。それよりも気になるのは、今回の広報戦略だ。いくつかの企業の広報も非常に気にしていた。早速だが、ポイントを挙げていこう。
