【前回】「第4回 第3章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット」はこちら
こんにちは、小霜です。
今週も本書への質問が届いていますので、それらへの回答から始めたいと思います。
Q.
「第4章」の諸葛亮とか韓信とか全く知りませんし、例えで出されてもピンと来ないのですが。
A.
そういう人は僕の友達じゃあないッ!
Q.
エージェンシーにとって耳の痛い内容ですが、大丈夫でしょうか。
A.
エージェンシーの悪徳な人にとって耳が痛いのであって、善良な人にはむしろ耳心地よいのではないでしょうか。実際、エージェンシーの方々から「うちとも契約を」「ぜひ相談したい」というお話を年明け早々いくつかいただいています。「小霜の新著読んでどうだった?」の反応で悪徳度が測れるかもしれません。リトマス試験紙としてもお使いになれますネ!
第4章では、いくら精緻なストラテジー構築をしコミュニケーション設計をしても制作現場のつまらない事情で全てがパーになる実態とその対策などが書かれています。
削除した箇所は、
P.190
いつだったかな、小学校の末娘が「わかってるぅ〜アイフルぅ〜」て口ずさんでたんですね。僕の仕事だと知らないで。本来、これはヤバい話なんですよ。消費者金融のCMに未成年が反応するというのはあってはならないことなので。でもマス系CDの本音の部分として「やった感」はあるんですよね。
ヤバい話かなと思ったので削除しました。ここで書いてたら意味ないですけどてへぺろ。
P.191
何が言いたいのかわからないCMを観るとイラッと来ませんか?人は本能的に「理解できない」ものに恐怖を抱きます。未知の天敵かもしれませんから。
くどいように感じて削除したのですけど、僕は人の行動に影響を与える素因のほとんどは本能から来ていると思っています。進化心理学を勉強すると人に関するいろんなことが明瞭にわかるようになります。オススメです。
P.194
とんでもない話ですが、優秀で立派な働きをする部長が入ってくると、エージェンシーが排除しに動くこともあります。思い通りにできる素人の方が都合いいので。ちょっとしたことでパワハラだと役員に直訴したり。そんな時、現場の実情を知らない社長が「うまくやってよ」なんて言うとせっかくの人材をその場で失うことになります。
これは伝聞なので削除したのですが、呆れかえる話でした。けっこう外からは立派に見える広告主でこういうことが起きてるんですよね…。
P.195
そもそもの広告業界の問題点としては、「scrub」だらけになってしまったということが大きいです。騙そうとしてるのかと思ったら間違いを信じ込んでいた営業さんとか、CM作ったことあるのかと疑いたくなるようなCDとか。タクシーの新米運ちゃんが道を知らないと怒る人多いですが、エージェンシーのscrubは発注主からCMの作り方を手取り足取り教えてもらって授業料を払うどころかタクシーの1万倍のフィーを請求しますからね。
最近JACがCM適正見積のハンドブックを作ったのですが、かえって広告主の不興を招いているようです。実は営業さんが見積もりの出し方について全く知らないscrubだった、とかいろんなことがバレたりして。scrubの意味を知らない方はググってください。
P.203
大戸屋はバイトテロを受けてからV字回復を期してメニューを一新したところそれがかえって徒となりさらに集客減。泥沼からまだ脱し切れていないようです。こうなるともうマーケティングも何もかも吹っ飛びます。
カワイソ過ぎます…。
P.198
部分最適弊害のわかりやすい例は教育システムでしょう。うちの子どもたちもかなりの被害に遭ったのですが、学校という「部門」の最適はいじめを抑えるではなく、いじめを「ないことにする」です。つい最近のニュースでも、教師たちが小学生レベルのいじめを新任教師にして、校長がもみ消していたとか。いじめがない(と言う)学校ほど上から評価されるわけですが、そういう学校ほどとんでもない事件をやらかします。教育関連法の改正に当たって僕はそのことで文科相とメッセージのやり取りをしたこともありますが、部分最適を全体最適に改めない限り教育の問題が解決できるわけはありません。これを企業に当てはめるとどうなるかぜひ想像してみてください。
教育システムの部分最適でうちの子どもたちも相当な被害を受けました。そう考えていくと、部分最適って日本全体にはびこってるカルチャーなんですかねえ。全員がてんでに権利を主張して、自分だけの利益誘導を図って、それを全て叶えたことにしなければいけない。そんなことは不可能なので、どこかで嘘が混ざり、歪なカタチのまま進んでいく。
