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世界最大のデジタルサイネージ Osaka Metro梅田駅に

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パナソニック×Umeda Metro Vision

長い検討期間中、OOHのくり返し接触で深く印象づける

パナソニックは昨年12月2日のこけら落しから1週間、生活家電のプロモーションの一環で、OsakaMetro梅田駅のデジタルサイネージ「Umeda Metro Vision」に広告を出稿した。

「『Umeda Metro Vision』は天井が高く、空間が広い。エスカレーターで上り下りしながら見られる点がよいと感じました」と話すのは、パナソニックの木村知世氏(エンゲージメントプランニング課 洗濯機宣伝担当)だ。「(出稿した広告について)Twitterに投稿されているのも確認しました。これまで大阪に使いやすいOOHがなかったので、やっとできた、という印象」(木村氏)耐久消費財の場合、各種の広告を見た消費者が直ちに購買行動へ移行するわけではない。長い検討期間において、いかに印象に残していくか。

「私は、OOH(交通・屋外広告)は耐久消費財にとっては有効打であると考えています」と木村氏は話す。

「OOHは通勤などで朝晩、あるいは日中の往訪などで目にすることになります。刷り込み効果は小さくないのではないでしょうか」(木村氏)

半面、木村氏が挙げるOOHの弱みは、広告効果を測定しにくいこと。

「ただ、それはそのほかのメディアも同様です。そこで単純に自社Webサイトへのアクセス数を増やそうと考えれば、大手検索ポータルサイトに広告を出すほうが伸びる。しかし、それだけでよいかというと、そうではないわけです。OOHは1~2週間、同じ情報にくり返しふれることが大事だと思います」(木村氏)

ターゲットは、DINKS(共働き・子どもなし世帯)やDEWKS(共働き・子どもあり世帯)と言われる人たち。男性も重要なアプローチ先で、女性にウエイトをかけたとしても「55%など多少多い程度」と話す。

「こうした層は平日は、テレビを見ることが少ないと思われます。どちらかといえば週末、撮りためていた番組を楽しまれる。するとCMはスキップされることを考えなくてはなりません」(木村氏)洗濯機の価格は上位機種なら30万円近くする。単独では購入を決めず、パートナーに相談するケースは多い。

つまり、どちらかだけにアプローチすればよいわけではないのだ。

出稿形態は動画。「最初の3秒間ほどがカギ」と木村氏は話す。

「トレインチャンネルでもデジタルサイネージでも1編通じて30秒、できれば15秒以内。メッセージはシンプルで強いものが適していると思います。通勤の行き帰りに目の当たりにしているうちに、それがきっかけとなって、家庭での話題になることを期待しています」(木村氏)

Osaka Metro1位の乗降客数44万人超にアプローチ

「Umeda Metro Vision(梅田メトロビジョン)」は、昨年12月1日に稼働を始めたデジタルサイネージだ。前日の11月30日には、「地下におけるLEDスクリーン最大ディスプレー」としてギネス世界記録に認定された。大きさはヨコ40メートル・タテ4メートル(ホームに掲示された公式認定証には面積159.89平方メートルとして記録)。

設置場所は、Osaka Metro御堂筋線梅田駅の上りホーム。「Umeda MetroVision」は同じホーム内にある65インチのタテ型デジタルサイネージ12面と連動したり、大阪市内の主要14駅全249面のタテ型デジタルサイネージと連携させることも可能。

梅田駅は2020年度内をめどに、リニューアルを進めている。デザインコンセプトは「大阪の情報を世界に発信する」。「Umeda Metro Vision」も同コンセプトに基づき、設けたものだ。ほかの構内の変化としては、直線的な照明器具と、メタリックシルバーに輝く可動式ホーム柵を設置する予定。

Osaka Metro各線の中でも、梅田駅は旗艦的な位置づけにある。同駅の1日の乗降客数は44万974人(2018年11月13日時点)で全線中トップ。

2位がいわゆるミナミの要、難波駅で35万8624人。東京メトロと比べると、池袋駅の57万5043人には譲るものの、後は梅田や難波のほうが上だ。

両駅の利用者は、大手町や銀座、新橋、新宿、渋谷などよりも多い。

「特に梅田は、実は日本の中でも珍しい街だと思います」と話すのは、大阪メトロサービス広告事業部メディア課の松田功氏だ。

「いわゆる“キタ”エリアの再開発が進み、オフィスビルが増える一方、昔から百貨店が根を張る街です。タワーマンションも建って、住居という顔も。本町には高級車のディーラーがあり、御堂筋にはブティックがある。古い町並みもあれば、茶屋町は若い人が集まる繁華街。新宿のようで、銀座のようで、渋谷のようで……複数の要素が1カ所に集まっているんです」(松田氏)

大阪でプロモーションを打つなら、梅田と難波は外せない─そんな不文律がある。「多種多様な人々が行き交うのが梅田。その駅で、地下としては世界最大のデジタルサイネージを用い、圧倒的な空気感をつくれるのが『Umeda Metro Vision』の売りになります」(松田氏)

1月には国土交通省の旗振りによるナイトタイムエコノミー振興のための終電延長に協力したり、顔認証による改札の実験をしていたり。このほど、券売機の二次元コード決済対応も行った。

Osaka Metroは民営化を機に、着実に進化を遂げようとしている。

spec

「Umeda Metro Vision」の広告料金は、1週間1社買い切りで500万円(税抜)、4柱に3面で計12面あるホームビジョンとの連動は1週間で600万円となる。1ロール3分間で12枠あるロール放映では、1枠あたり1週間60万円(同)。