コンセプターの坂井直樹さんが、今起きている社会の変化の中でも、少し先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事、従来の慣習を覆すような新しい価値観を探るコラム。今回のテーマは、中国の若い起業家たちは、どのような未来社会のプロトタイプを作りつつあるのか。デジタル化した中国のサービスについて詳説した『アフターデジタル』の著者、ビービットの藤井保文氏と、日本と中国、双方のカルチャーに寄り添ったブランディングや若年層マーケティングを手がける陳暁夏代氏と語り合いました。
※本対談は、2020年1月に収録にしたものです。世界的に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続き、中国の社会環境や生活も大きく変化を続けていますが、本座談会は2010年代後半からの中国ビジネスの大きな潮流をテーマに議論をしたものです。「世界的に大変な時ですが、中国でも若い起業家たちのこれまでの活躍を考えたらきっと、今の状況も乗り越えていけると思います」(坂井氏)。
※本対談は、2020年1月に収録にしたものです。世界的に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続き、中国の社会環境や生活も大きく変化を続けていますが、本座談会は2010年代後半からの中国ビジネスの大きな潮流をテーマに議論をしたものです。「世界的に大変な時ですが、中国でも若い起業家たちのこれまでの活躍を考えたらきっと、今の状況も乗り越えていけると思います」(坂井氏)。
ミレニアル世代に受け入れられる、国潮ブランドが台頭
坂井:
中国発のサービスで最近メジャーになったものというと、何が思い浮かびますか。
【藤井保文(ふじい やすふみ)氏 プロフィール】
株式会社ビービット 東アジア営業責任者
1984年生まれ。東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 修士課程修了。
2011年ビービットにコンサルタントとして入社。
2014年に台北支社、2017年から上海支社に勤務し、現在は現地の日系クライアントに対し、UX志向のデジタルトランスフォーメーションを支援する「エクスペリエンス・デザイン・コンサルティング」を行っている。
2018年8月には『平安保険グループの衝撃―顧客志向NPS経営のベストプラクティス』を監修・出版。
2018年9月からはニューズピックスにおいて、中国ビジネスに関するプロピッカーを務める。
2019年3月に「アフターデジタル-オフラインのない時代に生き残る」を出版し、世耕元経済産業大臣をはじめ各界著名人からの推薦を頂いている。現在6万4000部を超えるヒットとなっていることから続編発売が決定(6月初旬予定)し、現在執筆中の原稿を一般公開している。
事例・方法論を随時アップデートし、アフターデジタル時代のUX/DXの道標を示していく。
また、政府の有識者会議参画、FIN/SUM、G1経営者会議など「アフターデジタル」におけるアドバイザリや講演活動も多数行っている。
株式会社ビービット 東アジア営業責任者
1984年生まれ。東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 修士課程修了。
2011年ビービットにコンサルタントとして入社。
2014年に台北支社、2017年から上海支社に勤務し、現在は現地の日系クライアントに対し、UX志向のデジタルトランスフォーメーションを支援する「エクスペリエンス・デザイン・コンサルティング」を行っている。
2018年8月には『平安保険グループの衝撃―顧客志向NPS経営のベストプラクティス』を監修・出版。
2018年9月からはニューズピックスにおいて、中国ビジネスに関するプロピッカーを務める。
2019年3月に「アフターデジタル-オフラインのない時代に生き残る」を出版し、世耕元経済産業大臣をはじめ各界著名人からの推薦を頂いている。現在6万4000部を超えるヒットとなっていることから続編発売が決定(6月初旬予定)し、現在執筆中の原稿を一般公開している。
事例・方法論を随時アップデートし、アフターデジタル時代のUX/DXの道標を示していく。
また、政府の有識者会議参画、FIN/SUM、G1経営者会議など「アフターデジタル」におけるアドバイザリや講演活動も多数行っている。
藤井:
2014年から2018年ぐらいまでは、いろいろなサービスが出て来て、一気に何億人にも広がるような便利なサービスもありましたが、2019年になるとそこまで新しいものが出てこなかったと言われています。
これは、都市部がもう便利になってしまった証。地方には地方の経済圏があって、地方向け動画メディアやECも出て来て、「便利」のレイヤーのサービスは一旦落ち着いてしまった。
しかし一方で、「生活に意味合いをもたらす」商品やサービスを重視するプレイヤーが新しく生まれ始めている、と見ています。W11(独身の日セール)では、中国の化粧品ブランドが人気を集めましたし、ユニークなブランドがでてきています。
坂井:
思い返せば2019年は、中国の投資家仲間から、日本の化粧品会社を買いたいっていう話がやたらありました。
藤井:
今まで中国のブランドというと「世界観がいい」というような話にあまりならなかったと思うのですが、最近はブランドの持つ世界観とかカルチャーが重要になってきています。コンセプターである坂井さんは、中国に行く度に商談が決まると聞きましたが、その理由は「生活に意味合いをもたらす」ものが重視されてきているからではないかと思います。
