ポップアップストアを起点に、新しいビジネスをつくる

【前回コラム】「ブランドの未来をプロトタイピングする場」はこちら

前回は、新しい製品、サービスの提供には欠かせない「試作モデル」と同じく、ポップアップストアはブランドの未来をつくるための重要なプロトタイピングの場であることをお話しました。ターゲティングした見込み客に実際に体験してもらい、声を反映させて、最後には新サービスとして事業拡張ができれば理想です。今回は前回に引き続き「Lipton Fruits in Tea」を例に、ポップアップストアの活用法を中長期的なビジネスのトランスフォームという側面から考えてみようと思います。
※現在の状況がおちついたら、是非体験ブランディングに役立てていただきたいです。

ポップアップストアは“入り口”。ブランドの未来からバックキャストして考える

前回、ポップアップストアは体験ブランディングの“入り口”であり、そこから先に長い道があると述べました。ポップアップストアは初めの一歩として「新しい体験価値を試す場」「プロトタイプを世に問う場」として有効な手段ですが、それ自体はブランディングのゴールではないからです。

体験ブランディングの最終ゴールは、これまでの「ブランド」と「人」との関係をアップデートする「新しい体験価値」をつくり出すことです。これからの生活に、かけがえのないものとしてブランドが存在するために、ポップアップストアで試した新しい体験価値を日常に浸透させるための仕組みをクリエイティブする必要があります。

つまり、予めブランドの未来をイメージし、ゴールからバックキャストして施策を考える作業が不可欠であり、その施策を未来のビジネス化へと前進させていかなければいけないということです。

「Lipton Fruits in Tea」では、企画当初から紅茶ビジネスに革新を起こすことを念頭におき、中長期のクリエイティブを組み立てました。当然、プロジェクトがスタートして新しい事業につながるまでには、数年単位の時間と多角的なアプローチが必要でした。

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藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)
藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)

1999年から博報堂でインタラクティブクリエイティブを軸に統合キャンペーンを手掛け、その後グループ内ブティック、タンバリンに参加。2016年より同社代表に就き「ハッピーアワーズ博報堂」に社名を変更。

“これでいい…”という消極的選択が溢れる成熟社会で、「ブランド」と「生活者」の関係性をアップデートする“至福”の体験価値をクリエイティブし、ブランデイングとマーケティングの両輪を動かしている。

藤井一成(ハッピーアワーズ博報堂 代表取締役社長/クリエイティブディレクター)

1999年から博報堂でインタラクティブクリエイティブを軸に統合キャンペーンを手掛け、その後グループ内ブティック、タンバリンに参加。2016年より同社代表に就き「ハッピーアワーズ博報堂」に社名を変更。

“これでいい…”という消極的選択が溢れる成熟社会で、「ブランド」と「生活者」の関係性をアップデートする“至福”の体験価値をクリエイティブし、ブランデイングとマーケティングの両輪を動かしている。

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