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デジタル広告化する音声広告、「ラジコオーディオアド」の可能性とは?

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ラジコで配信されるコンテンツの広告枠を、ユーザーの属性・嗜好性などに合わせた広告へと個別に差し替えて配信できるのが「ラジコオーディオアド」だ。番組の中で流れてくる音声広告ながら、デジタル広告としてターゲティングでき、効果測定も可能。インターネット配信する音声広告、その実証実験の過程で新たに見えた、音声広告の可能性とは。

radiko 業務推進室次長の小平誠氏。

本当に届いたかがわかる、デジタル施策としてのラジオ広告

2018年7月からradikoは、オーディオアドの実証実験を開始した。「『ラジコオーディオアド』の特徴は、ターゲティング配信を行える点。地上波の番組の中で流れる広告の枠に、ラジコではターゲットごとに最適な広告配信ができます」と解説するのはradiko 業務推進室次長の小平誠氏。

番組の聴取ログ、年に1回実施するユーザーアンケート、有料会員のデータなどのradikoが保有するデータの他に、ビデオリサーチのACRパネルデータを活用して、拡大推計を行っている。年齢、性別、聴取エリア、デバイスなどの情報に加えて、興味・関心セグメントも可能。ユーザー聴取に基づいた番組ジャンルによるターゲットもできる。

「過去にも、競馬番組を聞いている人に対して競馬ゲームの広告を配信したり、テレビCMに声優を起用していた食品メーカーが、アニメ好きの人に配信したりといった事例がありました」(小平氏)。

地上波のラジオ広告が、複数人に対して一方通行で情報を届ける「マス広告」であったのに対し、ラジコオーディオアドは完全な「デジタル広告」だ。デジタル広告と同様の特性を持つ。インターネット上で配信されるので、精緻な効果検証や、他のデジタル施策との掛け合わせももちろん可能である。

「広告接触者と非接触者を比較してブランドリフト調査をしたり、広告効果測定ツールを用いた効果検証や、広告接触者の詳細分析を行うことができる点が、これまでのラジオ広告との大きな違いです」(小平氏)。

このため、これまでラジオ広告を活用してきた企業が効果を可視化するため、調査目的でラジコオーディオアドを活用することもありうる。ラジオ広告とラジコオーディオアドを同時に出稿し、ラジコオーディオアドの調査で効果検証をして、ラジオ広告も含めた施策全体を評価することも可能となり、活用のバリエーションも広がりそうだ。

「音声だけ」だから余計気になる、記憶に残る

ブランドリフト調査を行い、ラジコオーディオアドの聴取によって認知・興味関心・購入意向がどのように変化したのかを調査していくと、音声ならではの広告の独自性が見えてくる。

「ラジオコンテンツは“ながら聴き”が多いので、動画メディアなどと比較して広告がスキップされにくい特徴があります。完全聴取率は98%。ほぼ最後まで聴いていただけています。また、ブランドリフト調査の結果を見ると、認知だけではなく、興味関心度や、購入意向も合わせて上がっているケースが多い。音声広告というと『認知しか取れないのでは』と思う方が多いと思いますが、どこかで聴いたな、と記憶に残りやすい上に、映像を自分の頭で想像し、気になったら調べるといった行動に繋がりやすいのでは」と小平氏。

確かに、我々は広告を「音」で覚えていることが多い。メロディに乗せた商品名やメッセージ、特徴的なキャッチコピーなど、その「音」を聞くと関連する映像をイメージしたり、思い出したりすることがあるだろう。

「音しかない、映像を出せないというのは一見すると欠点に思えるが、具体的すぎない『気になる、頭に残る』クリエイティブを意識することで、あえて受け手のイメージに任せたり、調べてみたいと思わせる余地を残したりする効果が期待できるのです」(小平氏)。こうした「音声広告」のメリットは、もちろんラジオ広告においても同様だ。効果が可視化できるデジタル施策としてのラジコオーディオアドを通じて、改めて音声広告の価値が見直され始めている。

既存広告との掛け合わせや、来店誘導の効果検証も可能

今後、ラジコオーディオアドはどのように活用されていくのだろうか。小平氏は活用の可能性を3点挙げる。

1点目は、ラジオ広告の効果の可視化としてだ。「大量にリーチを取りたい場合、やはり既存のラジオ広告の方が効率が良いです。ただ、デジタル系の企業を中心に、広告施策の効果検証やPDCAサイクルを回していくことが求められている昨今、いったいどう施策が効いているのか、見える化したいというニーズは強くあります。ラジコオーディオアドで効果検証を行い、ラジオ広告の効果を推定していく、調査目的の活用は今後も進んでいくと思います」(小平氏)。

今まで効果検証がしにくいから、とラジオ広告を選びにくかった企業にとっては、ラジコオーディオアドが、ラジオ広告活用の入り口となるかもしれない。

2点目は、既存のデジタル広告の効果を高めるような活用法だ。「業界の事例で、オーディオアドを聞いたユーザーにバナーを配信した場合、クリック率が上がったという結果も出てきています。音声広告を聞いた記憶がある、気になっているタイミングでバナーが登場すると、当然『もっと知りたい』と思う人が多いということでしょう。音声広告を気になるフックとして、他のデジタル広告と併用して活用することで、デジタル施策全体の効果を向上することができるかもしれません」(小平氏)。

3点目は、ユーザーのオフラインの行動と結びつけて、広告効果を計測する活用法だ。ラジコはスマホアプリを通じて、外出先でもよく活用されている。位置情報を活用することで、実際の行動に結びついたかを計測できるのだ。今年2月には、ADKマーケティング・ソリューションズ、松屋フーズホールディングスらの協力のもと、ラジコオーディオアドに接触したユーザーが松屋の店舗に来店したか、位置情報を用いて計測する効果検証を行った。

「結果、ラジコオーディオアドに接触してから1週間以内の来店率が12%であると推定でき、他のバナー広告の事例と比較しても効果的であるとわかりました。持ち歩けるスマホを通じて、外出時にもよく利用されているのがラジコの特徴なので、それを生かした広告の活用法や、効果検証方法があるのだろうと思います」(小平氏)。

デジタル施策として活用でき、かつ、音声広告ならではの独自性を兼ね備える、ラジコオーディオアド。「まだ認知が低いので、啓蒙していき、ラジオ業界に還元したい。ぜひ、広告主様や広告会社様と一緒に、新たな成功事例をつくっていけたら」と小平氏は語った。



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