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地域の生活に寄り添うローカルメディア、エリアマーケに新たな可能性

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新型コロナウイルスの影響で人々の行動範囲や移動距離が狭くなる中で、「生活圏」の中におけるマーケティング施策の重要度が高まっている。そこで、関西の女性向けライフスタイルマガジン「anna」を運営するytvメディアデザインの山畑健太郎氏と、大阪府枚方市に特化した地域情報サイト「枚方つーしん」を運営するmorondoの原田一博氏に話を聞いた。

ytvメディアデザイン CMO
山畑健太郎氏

読売テレビへ入社後は報道記者、TVCM渉外を経て、2018年よりデジタル系の新会社「ytvメディアデザイン」へ出向し、新規事業となる、関西の女性のためのウェブメディア「anna(アンナ)」を運営。ウェブ発のテレビ番組も立ち上げ、オンライン・オフラインという枠にとらわれない企画を考案中。

 

morondo代表取締役
原田一博氏

1981年大阪府枚方市生まれ。2008年に起業、2010年より「枚方つーしん」を本田一馬(創業者)と運営。2015年枚方市総合計画審議会委員。「枚方つーしん」(通称ひらつー)は大阪府枚方市に特化したローカルメディア。地元民が気になるお店の開店情報など雑談ネタを毎日配信し月間300万PVのウェブサイトに成長。

 

関西地域で進むメディア間連携、エコシステム構築構想

—「anna」では関西地域のメディアとの連携を進めていると聞きます。

山畑:「anna」は関西エリアに住む女性が日常の“知って得する”情報を発信する、関西エリアのキュレーションメディアです。メディア名の由来は関西弁の「あんなぁ!」。これは「あのね」という意味で、思わず誰かに話したくなるような情報を提供したいという思いを込めました。

特徴は、①読売テレビ系列という強みを生かしたWeb×テレビの掛け合わせ(「anna」と連動したテレビ番組の放送、読売テレビの人気番組の放送内容の記事化)、②アンバサダーによる関西在住の女性目線の発信③関西各地域のローカルメディアとの連携によるきめ細やかな情報発信の3点です。

「anna」の強み

Web、読売テレビ系列を生かしたテレビ番組、ローカルメディアを連携させていることが特長。

原田:「枚方つーしん」は大阪府枚方市に特化した地域情報サイトで、開店・閉店情報や更地に次に何ができるのかなど、まさにその地域の人々が家族や友人との日常的な会話のネタにしている、ライトでジャンクな情報を取り上げています。

山畑:「枚方つーしん」さんの記事は「anna」でも掲載しています。

原田:「anna」さんへの記事掲載に関しては、当社のメディア上で記事が読まれなくなるのではないか、そもそも地域内に向けた情報のため、地域外の人にとって適切な情報なのかなど懸念がありましたが、実際は違いました。

単純にPVが伸びるとかではなく、「anna」さんを通じて、ひとつの食材(情報)が別の料理に調理(価値づけ)されて、他の読者へ提供されている。そんな印象を受けました。実際に記事をみて掲載店に来店したという声も多くあり、枚方在住者向けの「枚方つーしん」の情報が「anna」の読者である関西女性にもニーズがあったのだなと。地域経済への貢献という観点からも、非常にこの連携に価値を感じています。

annaのトップページ(スマホ)

コロナ禍では、「#アンナのおうち時間」というタグをつくり、情報をまとめた。

 

山畑:地元の人しか知らないスポットやグルメに関して、「知っていたら行っていた、買っていたのに!」ということが往々にしてあるかと思いますが、情報がないわけではないんですね。地域のフリーペーパーやローカルメディア、放送局、雑誌、自治体や観光協会、鉄道会社の冊子の中には良質な情報もあるのですが、紙であったり、Web上にまとまっていなかったりで、ユーザーが求める情報になかなか辿り着きにくい状況が課題だと感じています。

そこで「anna」では、各メディアと組ませていただき、関西地域の良質な情報をまとめ、知りたい人に届けて「機会損失」が起こらないようにしたいと考えています。チャネルに関しても、生活者が情報を取得するのはWebだけではありません。テレビやラジオ、スマートスピーカー、アプリ、冊子など、多チャネルでの情報発信を進めています。

最近では、単純に届ける部分だけでなく、コンテンツの企画・制作や広告のセールスなどに至るまで、関西地域のメディア間連携・良い循環のエコシステムが構築されてきています。

 

コロナで進む地域生活の文脈の差、エリアマーケティングの重要性

—全国でスマホが生活に浸透しつつありますが、メディア接触の地域性について教えてください。

原田:地域でもデジタルデバイス・メディアの利用は普及していますが、生活環境やライフスタイルの違いは存在し、それによってメディア接触やコンテンツの消費環境は異なります。通勤ひとつとっても、電車か自動車かで、スマホでゲーム・メディア閲覧か、ラジオを流して聞いているかなどの違いがでてきます。また、昨今の新型コロナウイルスの影響でも、地域差が生まれていたと思います。コミュニケーションの取り方に悩んだ方も多いのではないでしょうか。

山畑:スーパーマーケットが各地域でチラシの内容を変えるように、地域差をふまえたコミュニケーションを意識している企業は増えています。現に、地域ごとにテレビCMのクリエイティブや放映時間の最適化、デジタル広告のジオターゲティングを実施している企業も多くあります。

ただ、自身の実体験からも感じているのですが、こういったエリアマーケティングの取り組みを、よりそこに住んでいる方の生活文脈・モーメントにそって実施していくためには、地域ごとの生活環境の違いやメディア接触、コンテンツの消費環境、ローカルメディア含め地域にどんなメディアがあるのか、オンライン/オフライン含めた全体のプランニングなどを一手に取りまとめてくれる存在が必要と考えています。

そして、そこにおいて、「anna」がこれまで築いてきた各地域のローカルメディアやテレビ、ラジオ、OOH、雑誌、フリーペーパーなど各メディアとの連携関係と実際のプランニング経験から得られた知見を生かせるのではないかと。実際にご相談いただくことも増えており、先日とある大手製薬会社さんとの取り組みでは、テストマーケティング施策として「anna」と「枚方つーしん」を活用したプランを実施し、成果含め手ごたえを感じています。特に、ローカルメディアはその地域に寄り添って情報発信する専門家です。「広告枠」だけでなく、メディアの個性や地域の特性をふまえた発信内容・伝え方まで相談できるのは非常に強みだと感じました。

原田:ローカルメディアはそのエリアに関係する人の「共感」のメディア。中から外へではなく、中から中に発信するメディアです。地元の人がそのメディアの情報に触れるときには、その人自身の過去や未来といった人生の文脈が織り込まれてくるのも特徴だと思います。ただ、なかなか自分たちだけでは、ローカルメディアの価値をしっかり伝え、それを最大限発揮するためのプランニングを行うことには難しさを感じていました。そこを担ってくれる「anna」さんの存在は非常に心強いです。

—今後の展望について教えてください。

原田:新型コロナウイルスの影響で、これまでにないくらい普段自分が寝起きしている地域の情報や、身近なものの大切さが意識されたと感じています。「枚方つーしん」でも、読まれる記事の種類が暇つぶしのようなものではなく、子どもと家でどう過ごせばよいかなど、足下の行動のところで必要なものへと変わりました。改めてその地域の生活に密接にリンクしていることを感じ、地域への貢献などを考えながら、今後も寄り添ったメディア運営に努めていきます。

山畑:必要な情報を必要としている人に適切なかたちで伝えたい、機会損失をなくしたい、それに尽きますね。そのためにあらゆるステークホルダーに寄り添う存在として良い循環を生んでいきたいと思います。関西地域向けのマーケティングをお考えの方や一緒に何かやってみたいという方は、ぜひお声がけください。



お問い合わせ
株式会社ytvメディアデザイン
TEL:06-6947-8091
MAIL:sales@anna-media.jp
URL:https://anna-media.jp/ad または「アンナ 広告」で検索