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見込客育成は「学習のプロセス」としてとらえよ~オンライン時代のウェビナーコンテンツのつくり方

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How、Which型とWhat、Why型 見込客ごとに適切なコンテンツを届ける

本原稿の冒頭でウェビナーには大きくわけて新規顧客の獲得と見込顧客の育成の目的に活用されると書きました。ですが、この原稿では新規顧客開拓におけるウェビナーについて解説していきます。そこで、ここからはウェビナー視聴者を「見込客」と称して解説していきます。

見込客には様々なステータス、リテラシーの方がいます。例えば、あるテーマ・課題について差し迫った状況にあり、すでにいくつものソリューションを比較検討している見込客。会社から指示は与えられていないけど、これから必要になってくるかも知れないからと、今後のために視聴している見込客。ウェビナーに登壇するゲストのSNSをフォローしていて、個人的にファンなので視聴する見込客。新規見込客獲得を目標にしているウェビナーであれば、こうしたステータスもリテラシーもばらばらな見込客が視聴しています。

こうした見込客の種類を育成の文脈で分類・整理すると、下図のように表現することができます。

海面の上に出ている氷山の一角が、企業が提供するソリューションの導入に最も近い「今すぐ」見込客。海面の下にあるのが、まだ必要性も低いが情報収集や担当者の個人的な興味関心で視聴している「これから」見込客です。前者は導入までの時間が短いですが、母数は少なく、後者は導入までの時間が長くかかりますが、母数は多いといった特徴があります。こうした特徴を持つ見込客に対し、ウェビナーで届けるコンテンツには様々な種類があります。

これは私の個人的な体験・所感ですが、上図に掲げたコンテンツの多くは「今すぐ見込客」が求める、言い換えれば「今すぐ見込客」へ届けるコンテンツとして適切なものが多いです。

こうしたコンテンツをさらに大きなカテゴリーで分類すると、「今すぐ見込客」向けのコンテンツはHow、Which型で、「これから見込客向け」のコンテンツはWhat、Why型になります。

このHow、Which型と、What、Why型コンテンツの大きな違いは、前者の方は売り手視点が色濃く反映されるという点です。それ故、「これから見込客」にHow、Which型コンテンツを届けると、「今の自分に適していない」と判断され、視聴後も商談に進むこともありません。

ここでもう一つ問いたいのは、ウェビナーを企画・運営する担当者のみなさんは、自社の顧客が“どのような状態になったら”商談や導入が進んだと判断しているのか、ということです。BtoB企業の製品導入は、「予算があるから」といった導入企業側のタイミングで決まることが少なくありません。しかし、導入企業側のタイミングだけで進むと、担当者の側に十分なリテラシーや導入後の進め方のイメージが明確につくられず、せっかく導入をしてもらっても成果を出せずに契約更新されないという別の問題も出てきます。

導入する顧客側のタイミングに依拠しているだけでは、せっかく集めた新規見込客を育成していく意味がありません。自分たちが主体的に、見込客をWhat、Whyモードから、How、Whichモードにしていき、見込客に十分なレディネス(Readiness)をつくっておくことが重要です。

次ページ 「見込客育成とは、見込客の学習を支援すること」へ続く