コロナ禍の「PRアワード」一見、地味でもPR効果が高い事例に注目

今年もPRアワードグランプリの募集が9月から始まっている。新型コロナの影響で社会が変わり、PRビジネスも変わり始めている今、今年のエントリーにはどのようなことを期待するのか。
昨年に引き続き審査員を務める田上智子氏(刀 エグゼクティブディレクター ストラテジックコミュニケーション)、本田哲也氏(本田事務所 代表取締役)に昨年の受賞エントリーを振り返ってもらいながら、今年のアワードの展望について語ってもらった。

 

企業広報によるインターナル事例に期待

本田哲也:

今年のPRアワードは、コロナ禍の影響でエントリー数が減少するのではないかと言われていますが、僕はむしろ増えてほしいと思っています。今年の事例では、当初広告的なコンテンツとして準備していたものが、コロナ禍でそれどころではなくなった時、伝えたいメッセージを今の社会に合わせて出すためには、パブリックリレーションズの視点が入ってくると思うのです。

田上智子:

日々、社会が変わっていくのを実感した半年でした。マーケターの人たちも、昨年までは「世の中こうだから、その中でのこのブランドはこう」と考えていたかと思いますが、この半年は、そもそもの社会が変わってきているから、常にPRの人と一緒にやっていくというケースが多かったのではないでしょうか。

本田:

ブランドとしてこれは訴えたいが、今はそぐわないとか、言い方を変えるとか、PR的な見立てでやるわけですね。

田上:

いろんな部署の人が集まって合議制で物事を決めていく中で、広報の人の声が大きくなったと想定します。

そんな中での今回のPRアワードですが、私は今回、インターナルコミュニケーションのエントリーも多くなってほしいと思うのです。見えないところで、インターナルを頑張った企業広報の方はたくさんいらっしゃるはず。社員へのコミュニケーションから、社長の社内外への発信、広告・新しいキャンペーンへの立ち上げをどうするか──それを、時にブレーキをかけながら、勇気を持って前に進めていった企業広報の、黒子の方々の奮闘記なども、ぜひエントリーしていただきたい。

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