【前回コラム】「オンラインスピーチの正解は“三密回避”が分かる背景×自分を大きく見せること」はこちら
米国では1月20日(現地時間)に新大統領の就任式が無事に執り行われ、早くも1週間が経った。バイデン新大統領は就任後最初の10日間で、毎日特定のテーマごとに数多くのエグゼクティブ・オーダーにサインをするとし、着々と仕事を進めている様子が伝えられてきている。その多くは、前政権時に確立された事柄を建て直すための策。そして、注目されるのが新型コロナウイルス対策と経済救済だ。
そんな歴史的な儀式である「大統領就任式」でのバイデン大統領の姿は、「分断し病んだ状態からのアメリカを背負って癒し、再起させる役割を担うことを決意した」そんな彼の意志が込められていた。ここでは、その装いを紐解いて解説してみよう。
ブルー系で誠実さ・実直さ・清潔さを表現
大統領就任式という歴史的な儀式のために、バイデン大統領が選んだのはラルフローレンのカスタムメイドのネイビースーツにコート、白のドレスシャツにライトブルーのタイという装いだった。ブルー系は彼のステートメントであり、強烈さはないが、オーセンティックかつ洗練されている印象だ。また、誠実で実直、清潔さが見て取れ、爽やかさが際立つスタイルだった。
問題が山積みのアメリカにとって、この就任式は新しい章の始まり。分断されたアメリカを癒し、再び団結させるための挑戦の始まりでもある。そのためには、感情をたかぶらせた「闘う強さ」ではなく、「皆と共にあること」を偽りなく誠実に示すことが望まれる。そして、周知の事実である「歴代最高齢の大統領」である年齢を「成熟した大人」としての精悍(せいかん)さとして表現することも重要だ。
そう考えた時に、このスーツやコートのダークネイビーは、重厚感と威厳を感じさせる役割があった。また、誠実かつ高潔な存在感の確立があり、現役感につながるパワーをバイデン大統領に与えていたのだ。
「NYから解説!日本企業のグローバルブランディング」バックナンバー
- BIG BOSS新庄の後光効果と王者養成ギプス(2021/12/27)
- 鎌倉シャツ「究極の作務衣」:伝統と現代性、原点回帰と斬新さの最適化ブランディング(2021/10/22)
- グローバル舞台のコミュニケーション、英語で行うか?大谷翔平選手の場合は?(2021/9/10)
- アメリカが恋に落ちた大谷翔平選手、新時代を物語る透明なプレゼンス(2021/7/19)
- 大坂なおみ選手の取材拒否と、ネガティブ・メディアトレーニングがなくなる日(2021/6/11)
- 記者会見時、マスクは外す?外したマスクはどこに置く?(2021/3/09)
- 謝罪会見に「赤ネクタイ」はNG!森会長の「不適切」な装い(2021/2/12)
新着CM
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
広告ビジネス・メディア
グーグル、Cookie廃止を延期 利害調整…年内に終わらず
-
広報
「ぽぽちゃん生産終了」綴ったnoteが1200スキ以上を集めたワケ
-
クリエイティブ
2008年から続く東京ガスの企業CM、ルーツはラジオCMにアリ
-
AD
広告ビジネス・メディア
リアルメディアの可能性に迫る!脱cookie時代のマーケティング戦略
-
マーケティング
来店客が若返り、新規客増…食品との併せ買い1.4倍 イトーヨーカドー
-
広報
市長アバターが英語で情報発信 横須賀市の生成AI活用
-
AD
特集
OOHと生活者の交差点を考える
-
販売促進
友人同士の宅飲みを再現した居酒屋 若年層へのブランド戦略、サントリー